細菌性腟症は放置しちゃダメ!病院でしっかり治してスッキリしよう

2018/9/9

おりものから変な臭いがしたり、色が変わったりしていませんか?それはもしかしたら、細菌性腟症かもしれません。細菌性腟症とは、何らかの細菌が原因で、腟内で炎症が起こってしまっている状態です。
細菌性腟症は、放っておくと炎症が他の場所に広がってしまう危険性があり、病院での治療が必要です。この記事では、細菌性腟症の治療法や、日頃からできる予防法などを解説します。

細菌性腟症は放置していても治る?

細菌性腟症とは、体調不良や生理周期・妊娠などでホルモンバランスが崩れることで腟の自浄作用が低下し、雑菌が繁殖することで炎症を起こす腟炎の総称です。特定の病原菌で起こるというわけではなく、レンサ球菌や大腸菌、ブドウ球菌など、どこにでもいる菌が通常以上に増殖して炎症を引き起こします。

妊娠している時に、この炎症が腟内だけに留まらず体内を上っていき子宮頸管や子宮内にまで及ぶと、子宮頸管炎や絨毛膜羊膜炎などを引き起こし、流産や早産の原因となります。また、妊娠していないときでも、子宮頸管や子宮内に炎症が起こると、不妊症の原因となることがあります。

細菌性腟症は、一時的に腟内の自浄作用が低下することで起こる疾患ですから、体調が回復するなどして自浄作用が元に戻れば自然治癒することもあります。しかし、放置しておくと子宮頸管や子宮内部にまで炎症が及んでしまうこともあります。不妊症や、流産・早産を防ぐためには、自然治癒に任せず病院できちんと治療することが重要です。

細菌性腟症はどうやって治療するの?

細菌性腟症の治療は、原因菌を洗い流したのち、腟に薬剤を挿入する方法もしくは内服薬で治療する方法で行います。

細菌を洗い流す
滅菌蒸留水や生理食塩水などで洗い流すのが一般的です。市販の腟洗浄液でも、精製水のものならば構いません。
おりものが多量である場合や悪臭が強い場合は、消毒薬を使用することもありますが、この場合は産婦人科で行います。
腟洗浄は、あくまでも治療の最初に、大量に繁殖してしまった雑菌を洗い流す目的で行うものです。治療開始後は腟の自浄作用を保つ細菌の数を回復するため、できるだけ行わないようにします。
局所療法
細菌を洗い流したのち、腟に薬剤を挿入します。メトロニダゾール、クリンダマイシンなどの腟錠が使われることが多いですが、クリームを塗布することもあります。
1日1回の腟挿入または塗布で、3〜6日を目安として治療します。たいていはこの期間で治りますが、何度も再発するようであれば抗菌薬を長期間に渡って服用する必要があることもあります。
内服治療
メトロニダゾール500mgを1日2回7日間または250mgを1日3回7日間継続して内服します。
局所療法と比較し、内服のため簡便に治療ができますが、嘔気などの副作用は出やすくなります。

細菌性腟症の症状ってどんな特徴がある?

細菌性腟症で代表的な症状は、おりものの変化です。特に、おりものが黄色い膿や灰色になったり、強い悪臭がしたりする場合は細菌性腟症の疑いが強くなります。細菌性腟症の場合、アミン臭という魚介類が腐敗したときの匂いがすることが特徴的です。

これは、大腸菌やブドウ球菌などの病原菌が繁殖すると、白血球がその箇所に集まってきて菌を殺菌することによります。殺菌するとき、白血球自身も一緒に死んでしまいます。そうした菌と白血球の死骸が、膿状のおりものや悪臭となってしまうのです。

また、まれに炎症から出血が起こることもあります。これらの雑菌による炎症が外陰部にまで及ぶと、かゆみを引き起こします。

腟カンジダとの違いは?

腟カンジダ(カンジダ腟炎)もまた、腟内や外陰部のかゆみが特徴的な疾患です。疲れや体調不良、生理前後で免疫機能が低下しているときや抗生物質の服用後、妊娠中などに起こりやすい点も共通しています。

しかし、細菌性腟症が病原菌の種類にはよらないのに対し、腟カンジダでは、原因となる菌はカンジダ菌というカビの一種である菌一種類です。自覚症状の違いは、おりものの色や臭いです。腟カンジダの場合、おりものが白い酒粕状、またはチーズ状となり、臭いはありません

細菌性腟症になるのはどうして?

通常、腟には自浄作用があります。これは、腟内に常在している「デーデルライン桿菌」という乳酸菌の働きで、腟内を酸性に保ち、雑菌の繁殖を防いでいます。しかし、体調不良や生理周期、妊娠などによって免疫力が低下すると、デーデルライン桿菌の自浄作用の働きが落ち、そのすきに雑菌が繁殖してしまいます。繁殖した雑菌により、腟内に炎症が起こると細菌性腟症を発症します。

細菌性腟症の原因となるのは、具体的には以下のようなことです。

  • 疲労や睡眠不足などによるホルモンバランスの乱れ
  • 食生活の乱れ(腸内環境の乱れ)
  • 風邪などの体調不良による免疫力の低下
  • 抗生物質の使用
  • 過剰な腟洗浄
  • タンポンの使用や性行為による腟内不衛生

疲労や睡眠不足、食生活の乱れ、風邪などの体調不良は全て、免疫力が低下する原因となります。免疫力が低下するということは、腟内の自浄作用がうまく働かなくなるということです。また、抗生物質の使用は、多くの細菌に対して効果を発揮するため、デーデルライン桿菌も殺菌してしまうことで結果的に自浄作用を低下させてしまうのです。

過剰な腟洗浄も、デーデルライン桿菌まで流してしまうことになり、自浄作用を低下させてしまいます。生理の後や性行為後につい洗いたくなってしまうこともありますが、できれば洗わない方が良いでしょう。どうしても洗いたいようであれば1回程度に留め、異変が起きたらすぐに婦人科で相談しましょう。

細菌性腟症にならないためにできることは?

細菌性腟症にならないためには、腟を清潔に保つことが必要です。とは言っても、前述のようにデーデルライン桿菌まで洗い流してしまうような過剰な洗浄は、自浄作用を下げてしまうので逆効果です。特に、ボディソープや石鹸は洗浄力が強すぎるため、腟内を洗うときには絶対に使わないようにしましょう。

デリケートゾーンの蒸れや不衛生を避ける

すぐにできる対策は、デリケートゾーンをできるだけ清潔に保つことです。細菌は湿った場所や、35℃前後の人肌よりもややぬるめ程度の場所を好み、よく繁殖します。ですから、下着はできるだけ通気性がよく、締めつけの強すぎないものを選びましょう

また、おりものシートやナプキン、タンポンなどを長時間つけないことも大切です。こまめに取り替え、雑菌の繁殖を防ぎましょう。

体の免疫力を落とさない生活習慣をつける

体にそもそも備わっている免疫力や腟の自浄作用を下げないことも、雑菌を繁殖させないために重要なことです。規則正しい生活を送る、栄養バランスのとれた食事をとる、ストレスを溜めない、などは細菌性腟症の予防だけでなく、健康的な生活を送る上で非常に大切なことです

中でも、細菌性腟症の予防にはプレーンヨーグルト、乳酸菌、ビタミンB群を多く含む食材がよいとされています。また、砂糖やチーズ、アルコール、チョコレートなどの摂りすぎは良くありません。普段から嗜好品の好きな人は、摂りすぎないように気をつけましょう。

おわりに:細菌性腟症は放置せず治そう!

細菌性腟症は、妊娠している人や妊娠を希望されている人は特に放置してはいけません。子宮頸管や子宮内にまで炎症が及ぶと、不妊の原因になるだけでなく、最悪の場合流産の可能性もあります。
また、細菌性腟症にならないためには、普段から自浄作用を下げないような生活習慣を心がけることが大切です。通気性のよい下着や不衛生を避けることはもちろん、洗浄のしすぎも避けましょう。

※抗菌薬のうち、細菌や真菌などの生物から作られるものを「抗生物質」といいます。 抗菌薬には純粋に化学的に作られるものも含まれていますが、一般的には抗菌薬と抗生物質はほぼ同義として使用されることが多いため、この記事では抗生物質と表記を統一しています。

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