記事監修医師
前田 裕斗 先生
2018/9/12
記事監修医師
前田 裕斗 先生
感染すると子宮頸がんの原因となることで知られるHPV・ヒトパピローマウイルス。
婦人科検診の一環で感染症検査をして、HPV陽性が出ると動揺しますよね。
今回は検査でHPV陽性の結果が出た場合の受け止め方と、陰性であった場合の子宮頸がん発病リスクの考え方について、あわせて解説していきます。
HPVの感染検査で陽性が出たからといって、がんだというわけではありません。
HPVは性交渉経験のある女性なら誰にでも感染リスクのあるウイルスですし、仮に感染していても、免疫機能により1~2年程度で自然消滅することがほとんどです。
このため、あくまでHPV陽性の検査結果は「将来的に子宮頸がんを発症する可能性がある」ことを示唆するものであり、「すでにがんを発症している」ということではないのです。
ただし現時点で、将来的に子宮頸がんを引き起こす可能性のある原因ウイルスに感染していることは確かです。
HPVの検査結果で陽性が出たら、医師の指示に従ってより精密な検査を受けたり、定期的な再検査を受ける必要があるものと理解しておきましょう。
HPVの検査結果が陰性である場合、すぐに子宮頸がんを発症する可能性はほぼありません。現時点では、子宮頸がんにならないものと考えても良いでしょう。
ただし、HPVには数か月~数年単位の潜伏期間があるため、たとえ検査結果が陰性でも将来的に子宮頸がんを発症する可能性はわずかに残っています。
このためHPV検査の結果が陰性でも、3年ごとなど定期的に繰り返し検査を受け、感染の有無を確認し続けることが大切です。
また潜伏期間を考えると、現在だけでなく過去の性交渉のパートナーからHPVに感染し、数年経ってから発がんするという可能性も考えられます。
最後に検査を受けてから性交渉のパートナーが変わった場合、1年以内を目安に再検査を受けると安心でしょう。
HPVは、性交渉経験のある女性であれば誰にでも感染リスクがあります。たとえ検査結果が陽性でも、あくまで将来的な発がんを示唆する結果であり、現時点でがんを発症しているという意味ではないのです。ただし、発がんの原因を保有していることにはなるので、医師の指示に従った検査・治療を受ける必要は出てきます。HPV検査は、結果にかかわらず定期的に繰り返し受けて感染の有無を確認すべきと覚えておきましょう。
この記事の続きはこちら