HPVに感染したらすぐがんになる?予防するにはどうすればいい?

2018/9/26

前田 裕斗 先生

記事監修医師

国立成育医療研究センター フェロー

前田 裕斗 先生

HPV・ヒトパピローマウイルスは、感染すると子宮頸がんの原因となることで知られるウイルスの一種です。HPVに感染した人は、すぐにがんになってしまうのでしょうか?
今回はHPV感染から発がんまでについて、どのくらいの期間をかけてがん化するのか、がん化を防ぐ方法はないのかを解説していきます。

HPVは感染したらすぐがんになるの?

HPVは、主に性交渉から感染するウイルスです。
ウイルスには複数の型が存在し、このうち16型・18型などの高リスクHPVが陰茎から膣や子宮頸部に感染することで、がん化して子宮頸がんの原因となることがわかっています。

ただ、HPVに感染したすべての女性が子宮頸がんになるというわけではありません
HPVは、性交渉経験のある女性なら一生のうち一度以上は感染するといわれるほど一般的なウイルスで、その多くは免疫機能によって排除されて自然消滅します。

HPVに感染した女性のうち、10%程度が2年以上感染が長期化する「持続感染」という状態になり、細胞の異形成を経て子宮頸部の発がんに至るのです。

なお、体質による個人差もありますが、HPV感染から子宮頸がんを発症するまでにかかる時間は、平均で10年程度と考えられています。

HPV感染からがんになるのを防ぐにはどうすればいい?

HPV感染から発がんを予防するためには、子宮頸がん検診(子宮頸部細胞診検査)やHPV検査を受けることが重要です。

子宮頸がん検診では結果が多段階に分かれており、ASC-Hという段階以上の結果が出た場合はすぐに子宮頸部の組織を一部採取する組織診検査を受けることが推奨されます。

一方ASC-USという結果の場合はHPVの有無を調べる検査が行われます。この結果が陽性であった場合はやはり組織診の検査を施行することが推奨されます。一方でHPV検査が陰性であった場合は半年から1年後の再検査で問題ないとされます。

何れにしても、定期的に頸がん検診を受けることが予防の第一歩と言えるでしょう。

HPV検査ってどんなことをするの?

最後に、発がん予防のために大切なHPV検査の内容をご紹介していきます。

HPV検査ではブラシ状の器具を腟から挿入し、子宮頸部の細胞を拭い取り、特定の検査キットを使用して行います。

検査キットでは、100種類以上あると言われるHPVのウイルスの型のうち、特に子宮頸がんとの関連性が高いとされる14種類の「ハイリスク型HPV」の検出が可能です。

子宮頸がんとの関連性が高い、14種類のハイリスク型HPV

超ハイリスク型
16型、18型
ハイリスク型
31型、33型、35型、39型、45型、51型、52型、56型、58型、59型、66型、68型

検査結果は「陰性」または「〇型陽性」というかたちで出され、細胞診も同時に行えるため、HPVによる細胞異形成が起こっているかも確認することができます。

ブラシで子宮頸部を拭うという検査方法はほとんど痛みもなく、しかも高感度で感染の有無を調べられるため、アメリカでは30歳以上の女性に積極受診が推奨されています。

おわりに:HPVに感染しても、すべての人ががんになるわけではない

HPVは、性交渉経験のある女性なら一生に一度はかかるといわれる、一般的なウイルスです。感染しても発がんするとは限らず、感染が2年以上続く持続感染になった場合のみ、約10年かけて発がんします。また、発がんするまでには子宮頸部の細胞異形成など、いくつかの段階を踏むことも分かっています。感染がわかってから発がんまで定期健診を受け続けることで、HPVによる子宮頸がん発症は予防できると覚えておきましょう。

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