記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
2018/9/26
記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
慢性腎臓病が進行すると、透析治療や腎臓移植が必要になってきます。そのため、早期に発見して早めに治療を開始することが重要になってきますが、「慢性腎臓病かも」と自覚できるような初期症状はあるのでしょうか。
ここでは、慢性腎臓病の初期症状とグレード別の治療ガイドラインについて解説しています。
慢性腎臓病(CKD)は、ゆっくりと腎機能が低下していく全ての腎臓の病気を指し、原因となる疾患を問いません。
腎臓の役割は、血液をろ過して、人間の体内の代謝で生じた老廃物や毒素を尿の中に排出しています。また、体内の水分量とミネラル(ナトリウム、カリウム、マグネシウムなど)のバランスを調整します。また、赤血球をつくったり、血圧を調整したりするホルモンを分泌したりするほか、カルシウムの吸収を助ける役割もあります。
腎臓の病気は、あるレベルを超えると自然に治るということはなく、放置すれば透析療法や腎臓の移植を検討することもあります。また、進行した腎不全は、脳血管疾患や虚血性心疾患などの心血管疾患(CVD)の発症に関与しているといわれています。
しかし、腎臓は、肝臓と同じく「沈黙の臓器」とも呼ばれています。慢性腎臓病(CKD)は、初期には、ほぼ自覚症状がないために発見が遅れやすく、受診時には、ある程度症状が進んでいることがあります。
慢性腎臓病(CKD)は、初期には自覚症状はほとんどありませんが、病気が進行するにつれて少しずつ自覚症状が現れてきます。次のような自覚症状が現れたときには、ある程度、慢性腎臓病(CKD)が進行している可能性があります。早期に医療機関を受診することが望ましいでしょう。
腎臓機能の低下は、あるラインを超えると治すことは難しくなり、以後の治療は症状の進行を抑えることが中心になります。
慢性腎臓病(CKD)は重症度に応じてステージG1からG5までの5段階に分けられ、症状の程度に併せて治療が進められます。慢性腎臓病では、タンパク尿が多いほど、あるいは糸球体ろ過量(eGFR)が低いほど、重症度が高くなります。糸球体ろ過量は、腎臓がどれくらい老廃物を排出しているかを示しており、血液検査結果の血清クレアチニン値をもとにして算出することができます。
ステージG1は腎臓機能はほぼ正常です。そのため、高血圧や糖尿病、肥満といった生活習慣病があれば優先的に治療が行われます。G2でも腎機能の低下はあるものの、喫煙を含む生活習慣の改善が中心です。しかし、G3以降は腎臓の機能がかなり低下しており、生活習慣の改善だけではなく、食事療法や、薬物療法が必要となります。食事では、塩分やタンパク質、カリウム、リンなどの制限が加わります。さらに症状が進みG5の段階では、透析治療や腎臓の移植が必要となり、生活への影響が大きくなるでしょう。
日本腎臓学会では診療ガイドラインが公表されており、2018年に改訂もされています。
【 一般社団法人 日本腎臓学会ホームページ CKD診療ガイドライン2018を編集して作成 】
腎臓は機能が低下していても自覚症状が少ない「沈黙の臓器」のひとつです。慢性腎臓病(CKD)は、さまざまな要因で起こり、放置すれば徐々に腎臓機能が低下していく病気です。慢性腎臓病(CKD)は重症度に併せて治療が行われ、症状が進むと透析治療や腎臓移植など、生活が一変してしまう可能性もあります。
尿の異常や、むくみ、体のだるさが続くようなときは、一度受診をしてみても良いのではないでしょうか。また、血液検査でみられるクレアチニンという数値も腎機能をみるための指標となります。診断結果をチェックしてみましょう。
この記事の続きはこちら