ベビ待ちさんが体外受精を進められる場合って?治療では何をするの?

2018/9/22

前田 裕斗 先生

記事監修医師

国立成育医療研究センター フェロー

前田 裕斗 先生

妊活をしてきたベビ待ちさんのなかには、体外受精をすすめられる人もいるでしょう。
しかし、妊活中に体外受精をすすめられるのは、どのようなケースなのでしょうか?
今回はベビ待ちさんが医師から体外受精をすすめられるケースについて、どのような状況が考えられるのかを、体外受精の内容とあわせて解説していきます。

ベビ待ち夫婦が体外受精を勧められるのはどんなとき?

ベビ待ち夫婦に体外受精がすすめられる場合には、以下のようなケースが考えられます。

  • タイミング法や人工授精などでの妊娠が、複数回不成功だったとき
  • 女性の卵管が狭窄、または閉鎖しているために体内での受精が難しいとき
  • 男性の精子が極端に少ない、または活動が乏しいため体内での受精が難しいとき
  • 免疫機能に問題があり、体内での受精や着床が難しいと判断されるとき  など

医師から体外受精を提案されたベビ待ち夫婦には、上記いずれか、または複数の要因があてはまっている可能性が高いと言えます。

体外受精ってどんなことをするの?

体外受精では、あらかじめ採取しておいた精子と卵子をシャーレの中で受精させ、受精卵の状態にしてから子宮内に移植する治療方法です。

以下に、実際の体外受精の手順に沿って体外受精の治療内容を詳しく解説していきます。

排卵誘発剤で採卵の準備をする
飲み薬や注射の排卵誘発剤を使い、体外受精に使う卵子をできるだけ多く採取できるよう、排卵の数と卵子の成熟度をコントロールしていきます。
排卵誘発剤の投与量や卵子成熟までの期間は、患者の状態によって異なります。
女性からの採卵と、男性からの採精を同日に行う
十分に卵子が成熟したタイミングで、排卵直前の同日中に採卵と採精を行います。
女性からの採卵は、エコーで確認しながら腟から卵巣へ専用の器具を差し込み、卵胞液ごと卵子を吸い上げて採取するのが一般的です。
なお、採卵時に麻酔を行うかどうか、また成熟している卵子のうちいくつ取り出すのかは、患者の希望を考慮したうえで医師の判断で決定されます。
一方、男性からの採精は、医師から指定された時間帯に射精した精液から採取します。
精子を選別し、培養液のなかで卵子と受精させる
採取した精子のなかから運動率の良いものを選んでおき、特殊な培養液で保存している卵子と出会わせ、受精させます。
受精の確認後、2~3日かけて受精卵が細胞分裂を起こして胚となるまで培養してから、胚を腟から子宮内に移植して着床、妊娠すればひとまず治療は完了となります。
なお、複数の採卵・受精に成功した場合には、基本的には1つのみ子宮に移植し、のこりは冷凍保存して次回の治療のためにとっておくことが多いです。

体外受精にはどんなメリット・デメリットがある?

体外受精の手順について、きちんと理解できましたか?
ここからは、体外受精をすすめられたベビ待ち夫婦が知っておくべき、体外受精を受けることのメリット・デメリットをご紹介します。

メリット

  • 精子が卵子にたどり着くまでの運動率の低さをカバーできる
  • 受精卵が卵管から子宮にたどり着き、着床するまでをショートカットできる
  • 受精卵を作ってから移植するので、タイミング法などより成功率が高いことも

デメリット

  • 受精以降、妊娠初期の段階で問題が起こる夫婦には、あまり有用でない
  • 受精に必要な卵子または精子の質・機能に問題がある場合も、あまり効果が期待できない
  • 保険適応外の自費診療となるので、経済的な負担が大きい

おわりに:体外受精はベビ待ちさんに有用なケースも。ただし、治療内容はよく理解しておこう

卵管の状態や精子の運動率に問題があり、一般不妊治療での妊娠が難しいベビ待ち夫婦にとって、体外受精は効果的な治療法と言えるでしょう。ただし、治療には排卵誘発剤の副作用による身体的負担や、自費診療による経済的負担も発生します。他の治療同様、体外受精にもメリット・デメリットがあるのです。ベビ待ち夫婦が体外受精をすすめられたなら、治療内容をよく理解したうえで、受けるかどうかを決めてくださいね。

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