ストレスによるキリキリした胃痛の対処法と胃薬の選び方について

2024/1/17

山本 康博 先生

記事監修医師

MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長
東京大学医学部卒 医学博士
日本呼吸器学会認定呼吸器専門医
日本内科学会認定総合内科専門医
人間ドック学会認定医
難病指定医
Member of American College of Physicians

山本 康博 先生

ストレスがたまると胃がキリキリ痛むという話は、よく聞きますよね。仕事や学校、家庭内、ご近所付き合いなど、ストレスの原因はさまざまな場面に潜んでいますが、ストレスによる胃痛を解消する対策は、胃薬を飲むことだけなのでしょうか。この記事では、ストレスが胃痛を引き起こすメカニズムとストレスによる胃痛の対処法について、胃薬の選び方もあわせて解説していきます。

冷凍宅配食の「ナッシュ」
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ストレスで胃痛が起きるのはどうして?

胃をはじめ、消化器官の働きは交感神経と副交感神経からなる、自律神経によってコントロールされています。

交感神経
心身を緊張した状態に保つ働きがあり、消化器の運動を抑制する
副交感神経
心身をリラックスさせる働きがあり、消化器の運動を促進する

強いストレスを感じると、まずストレス信号が脳から副交感神経に伝えられ、副交感神経は胃酸分泌や胃の動きを活発にします。一方で、脳からのストレス信号は交感神経にも伝えられ、交感神経は胃の血管を収縮させて血流を抑制し、胃粘膜を守る粘液の分泌を減らそうとします。すると、胃の内部では胃の粘膜が弱っているのに胃酸過多の状態となり、その結果として胃酸で胃粘膜が傷つき、胃痛を引き起こすようになるのです。

ストレスによる胃痛の胃薬以外の対処法は?

ストレスが原因と思われる胃痛には、胃薬以外にも「胃をいたわり、胃の負担を軽減する」「ストレスを減らし、心身をリラックスさせる」などで緩和できることがあります。ストレスによる胃痛を感じたときは、以下の対処法を試してみてください。

胃をいたわり、胃の負担を減らすための対処法

  • ホットミルクなど温かい飲みものを飲み、胃痛の一因である胃酸過多を和らげる
  • おなかに蒸しタオルなどを置いて、胃周辺の血流を促す
  • 規則正しい生活リズムを心がけ、適量の食事を心がける

ストレスを減らし、心身をリラックスさせるための対処法

  • 寝る2~3時間前に40℃前後のぬるめのお湯に入り、全身の血流をよくする
  • 好きな香りや音楽、写真など、心身の緊張をほぐせる方法やアイテムを見つけておく
  • ウォーキングや散歩、軽いジョギングなどを習慣化して、リフレッシュできる時間を作る

ストレスよる胃痛があるとき、どんな胃薬を選べばいい?

ストレス性の胃痛には、以下の条件を満たす胃薬を選ぶことをおすすめします。

  • 胃酸の分泌促進の作用がないもの
  • 傷ついた胃粘膜を保護し、胃の不調を整える作用があるもの
  • 胃痛の原因である精神の不調、自律神経の乱れに作用するもの

ストレスによる胃痛緩和に役立つ可能性がある市販薬の例

市販薬を選ぶときは、薬局やドラッグストアの薬剤師に相談することをおすすめします。

太田漢方胃腸薬Ⅱ
自律神経の乱れを整える「安中散(あんちゅうさん)」、精神安定作用のある「茯苓(ぶくりょう)」を配合して、漢方メインの胃薬
ストレージ® タイプⅠ
漢方の一種「安中散」をメインに、自律神経の乱れに作用し、胃の血流を良くして胃の調子を整える効果のある胃薬
パンシロン®AZ
ストレスによって胃酸過多状態になった胃粘膜を保護・修復し、胃環境を整えて胃痛を緩和する胃薬
胃粘膜の保護成分としてメタケイ酸アルミン酸マグネシウム、修復成分としてアズレンスルホン酸ナトリウムとL-グルタミンを配合している

おわりに:ストレス性の胃痛には胃薬以外の対処法も役立つことがある。うまく使い分けよう

ストレス性の胃痛には、胃薬以外にも胃の働きを助けたり、心身をリラックスさせてストレスを緩和することで対処できます。これらの対処法を行っても痛みが緩和しないときは、重症化する前に無理せず薬を飲みましょう。ストレス性の胃痛には、自律神経に働きかけたり、胃粘膜を保護する成分を配合する市販薬で緩和する可能性があります。薬局やドラッグストアの薬剤師に相談しながら、あなたの症状にあう胃薬を服用してください。

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