記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
2017/8/14 記事改定日: 2018/9/12
記事改定回数:1回
記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
嫌なことがあったり、プレッシャーを感じると胃痛が・・・という経験をしたことがある人は多いのではないでしょうか。
この記事では、ストレス性の胃痛の解消法をおすすめの市販薬とあわせて紹介していきます。「危ない胃痛」についても触れているので、参考にしてください。
ストレスが原因で起こっている胃痛ですから、やはり原因となっているストレスをなくすことが最善です。
しかし、それが難しい場合や、原因となっているストレスを特定することができないことも多いと思います。
そんなときは、溜まってしまったストレスを解消するように工夫をしてください。
たとえば、落ち着ける場所に出かけてリラックスしたり、好きな音楽を聴いたり、ゆっくりと半身浴をするなどです。
また、自律神経の乱れを少しずつ正常に戻し、それを保つためにも、規則正しい生活、バランスのとれた食事、良質の睡眠をとるように意識しましょう。
そして、胃粘膜を回復させるためにも、食事は胃にやさしい消化のよい食べ物に変更し、食べるときはよく噛んで食べるようにしましょう。とにかく、胃への負担を軽くすることが大切です。
なお、胃酸の多く分泌している状態ですから、胃壁をこれ以上傷めないためにも、少しでも何か食べるようにすることが大切です。胃が痛いからといって、何も食べないのはよくありません。
胃の働きをコントロールしているのは、自律神経(交感神経、副交感神経)です。胃の他にも、心臓や体温調節など、人間が健康的に生きていくうえで欠かせない働きを担っている臓器は、意思とは無関係に“自動的に”働いてくれます。
ストレスは、この自律神経の働きを乱すことで血流を悪くすると考えられています。ストレスによる自律神経の乱れで胃酸が過剰に分泌されてしまうと、血流が悪くなって防御力の低下した胃粘膜を胃酸が攻撃することになってしまい、胃が痛くなるのです。
ストレスによる胃痛は、胃酸の過剰な分泌と胃粘膜を保護する粘液の減少が主な原因となります。そのため、ストレスによる胃痛には、胃酸分泌を抑える作用のあるガスター®10や太田胃散、アシノン®などのタイプの市販薬がおすすめです。また、食後のみに胃痛がある場合には、胃酸を中和するタイプのパンシロン®やサクロン®などもよいでしょう。
さらに、ストレスによって胃が過剰に運動することで生じるけいれんのような痛みには、胃の運動を抑えるブスコパン®などに効果があります。
現在では多くの市販薬が販売されていますので、ストレスによる急な胃痛に効果のあるものを購入することができます。しかし、胃痛が長引く場合には、胃潰瘍や胃癌など重篤な病気が隠されている可能性もありますので、自己判断で市販薬の服用を続けずに、必ず病院を受診するようにしましょう。
ストレスからくる胃痛にもいろいろな種類がありますが、まずもっとも起こりやすいのが急性胃炎です。
胃痛のほかにも、胸やけ食欲不振の他、食欲低下、満腹感、寒気、嘔吐、下痢などが併発することがあります。
通常、2、3日で治りますが、症状が重い場合には長期化することもあります。
精神的なストレスで自律神経が乱れることによって発症します。胃酸の分泌が過剰になり、胸やけや胃痛、食欲不振など、胃全体に不調が起こります。
また、内視鏡検査で胃を調べても、とくに異常は見つかりません。
しかし、放っておくと慢性胃炎になる可能性がありますので、胃痛が起こったときはガマンせず病院を受診しましょう。
胃粘膜にできた炎症が慢性化すると、慢性胃炎に発展します。もし、あなたが慢性的にストレスを抱えているなら注意が必要です。
症状としては、胃痛、胃もたれ、胸やけ、ゲップ、吐き気、食欲不振などがあります。
なお、慢性胃炎はストレス以外に、胃の粘膜に住みつくピロリ菌の感染によっても発症することがあります。
これも胃酸過多で胃や十二指腸の粘膜に炎症が起こることで発症します。
ただし、この2つは痛みが出るタイミングに違いがあり、胃潰瘍は食事中や食後にみぞおち部分が痛みますが、十二指腸潰瘍は寝起きや空腹時にみぞおちの下部分が痛くなります。
症状としては、胃痛の他に吐血や下血、不眠、胃の不快感、腰痛があります。
ストレスが原因となる胃痛の多くは、過剰な胃酸が分泌されることで胃の粘膜にダメージが加わることで引き起こされます。このため、ストレスによる胃痛が長く続くと、慢性的に胃や十二指腸の壁にダメージが加わって、出血を生じたり、進行すると穴が開いてしまうこともあります。次のような症状がある場合には、「単なるストレスによるもの」と放置せず、必ず病院を受診するようにしましょう。
原因がストレスであっても、胃の粘膜は実際に傷つき痛みを発しています。痛みが激しいときは、早めに医師にかかりましょう。また、原因となったストレスのせいで精神的な落ち込みが激しいときには、心療内科を受診してもいいでしょう。
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