記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
2018/9/16
記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
朝起きたら寝違えて、首が回らなくなった――。そんな寝違えによる首の痛みを改善するためには、どうしたらいいのでしょうか?適切な対処法や、やってはいけないことなどをお伝えしていきます。
寝違えとは、睡眠中の不自然な姿勢によって首周辺に無理な負担がかかったために起こる、首から肩の筋肉や靭帯の急性の炎症です。首を動かしたりするときに、痛みが生じます。
X線(レントゲン)などの画像検査で原因を確認できないことが多いため、寝違えの痛みの原因にはさまざまな説がありますが、主に頸部の筋肉や筋膜、頸椎椎間関節の関節包の損傷が原因する説が有力であり
ことによって引き起こされると考えられています。
軽いものであれば放っておいても自然治癒しますが、まずは痛みを長引かせないためにも早期に適切なケアをすることをおすすめします。
では具体的にどんな対処をすべきなのか、以下で紹介していきます。
首の痛みが生じた直後は、首を無理に動かさないようにしてください。痛い方向に無理やり曲げたりするのはやめ、首を楽な位置にキープするようにしましょう。
寝違えの痛みが出てから72時間(48時間とする場合も)までは、「急性期」と呼ばれ、痛めた筋肉が炎症を起こしている状態です。このため寝違えの直後は、氷嚢などで冷やす(アイシング)のが炎症の緩和に有効といえます。ただ、冷やしすぎると筋肉の血流が低下し、損傷からの回復が遅くなることがあるので、1度に冷やす時間は15分~20分程度に留めるようにし、1日のなかで数回冷やすようにしてください。
もし、アイシングするのが難しい場合は、消炎鎮痛剤を配合した湿布剤を使っても良いでしょう。
寝違えから48時間が経過し、痛みが緩和してきたのであれば、筋肉の血流をよくすることで回復のスピードを早めることができます。お風呂で首を温めたり、軽いストレッチをしたりしましょう。
特に初めて寝違えを経験した方に多いのですが、痛みの部位を確認するために首を無理に動かしたりするのはやめてください。炎症が悪化する恐れがあります。また、寝違え直後のマッサージやストレッチ、入浴など、温める行為もNGです。血流が増加して患部の炎症がひどくなり、痛みが助長する可能性があります。
そして、もし短期間に何度も寝違えを繰り返している場合は、頸椎症などの整形外科疾患が原因になっている場合があります。自己判断でセルフケアやマッサージを受けるなどせず、早めに整形外科を受診しましょう。
寝違えによる首の痛みの多くは、ご紹介した対処法を行えば緩和していきます。しかし、寝違えではなく神経痛やねんざ、首の骨の変形やヘルニアなど、別の疾患によって首が痛くなっている可能性もあり、その場合はセルフケアによって症状が悪化する恐れがあります。まずは整形外科を受診し、検査を受けるようにしましょう。
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