大腸がんが再発したらどんな治療をする?治療する意義はある?

2018/9/26

山本 康博 先生

記事監修医師

東京大学医学部卒 呼吸器内科医

山本 康博 先生

現在では2人に1人が一生のうち、何らかのがんになるといわれており、がんは私たちにとって身近な病気です。こちらでは、大腸がんが再発した場合の治療方法について、ご紹介していきます。

大腸がんの再発とは?

大腸がんの治療には、内視鏡治療・手術治療・抗がん剤による化学療法・放射線治療などの方法があります。

そもそもがんを治すための治療の原則は、がんを完全に切除すことにあり、内視鏡治療や手術治療が主な治療方法として選択されますが、このときに肉眼では把握できない微小ながんが体内に残っている場合があります。

切除の前にCT検査やPET/CT検査などの画像検査を行い転移の有無を確認していますが、この微小ながんは検査に映らず、診断は難しいものとなります。
手術後に、体内に残った微小ながんが時間を経てだんだん大きくなり、再び目に見える大きさになることを「がんの再発」といいます。

大腸がんが再発した場合、どんな治療をする?

がんが再発した場合、そのがんが再発した過程と部位により「局所再発」「領域再発」「遠隔(全身)再発」とに分けられ、治療法も異なります。

局所再発
最初にできたがんと同じ場所、または近くにできたもの。
領域再発
最初にできたがんの近くにあるリンパ節、または組織で微小ながんが成長してあらわれたもの。
遠隔(全身)再発
最初にできたがんの場所から離れている器官、または組織に発生しているもの。転移と呼びます。

がんが再発した場合、最初にがんができたときの治療法とは異なる治療を行うのが一般的です。

そもそもがんの治療目標には「がんを根治する」「進行を抑える」「がんによる症状の緩和」があげられ、最初のがんの治療では、がんが臓器にとどまっていることが多いため切除を行ない、「根治」を目指します。

しかし再発や転移が認められた場合、ほとんどのケースでは「がんの進行を抑える」「がんによる症状の緩和」が治療の目標となります

局所再発のような、1つの臓器に再発し、手術で切除できるような状態であれば手術治療が進められますが、ほとんどの場合は困難です。

転移の場合、体のあらゆる部分に微小ながんが散らばっていると想定し、全身に治療効果を及ぼす抗がん剤治療やホルモン療法を行う必要があります。

また、転移による抗がん剤治療では、最初にできた部位に効果のある抗がん剤を使用しないと効果が期待できません。

最初にできたがんの部位を「原発巣」と呼び、例えば大腸がんが発生したのち、肺に転移が認められた場合にこれを肺がんと呼ぶことはなく、大腸がんの肺転移といいます。転移したがんは最初にできたがんの細胞と同じ性質を持つため、もともとのがんに有効な抗がん剤でないと反応しないのです。

原発巣がどこか、再発した部位はどこか、そのがんが転移かによって、がん治療の方針を決めていくことになり、その治療方法は以下の通りです。

抗がん剤による化学療法

がん細胞の増殖を抑え、点滴や内服で薬剤を体の中に入れることによって、全身的に作用を及ぼすことが期待できますが、抗がん剤はがん細胞だけでなく健康な細胞にもダメージを与えてしまうものです。
根治ではなく、がんの進行を抑えるために選択される治療方法です。

放射線治療

放射線を当てた部位にだけ効果が期待できる局所療法です。
局所再発や遠隔再発(転移)がある場合には、痛みや症状を和らげる目的で行われます。

手術療法

再発したがんや転移したがんに対し、「がんによる症状の緩和」を目的として行われます。
がんが大きくなりすぎて消化管をふさいでしまっているケースや、脊椎に転移したがんが脊髄神経を圧迫することで起きる下肢の麻痺やしびれ、がんが気道をふさぐことで起きる窒息に対する手術などがあげられます。

大腸がんが再発したときに治療しても意味がないのでは・・・

がんが再発した場合や転移した場合、根治できるケースもありますが、ほとんどの場合は困難です。

しかし、根治できないからといって、治療ができないわけではありません。がんの状態と患者の体調に応じた治療方法を選択し、がんの症状によって治療方法を変えるなど、心と体に優しいケアをしていくことが大切です。

おわりに:大腸がん再発の治療は根治を目指すだけではありません

大腸がんは、がんを完全に切除することができれば、ほかの消化器がんに比べて根治する可能性が高いと言われていますが、再発するケースもあります。
しかし再発したからといって、治療ができないわけではありません。がんの特徴や患者の体調に合った、適切な治療を進めていきましょう。

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