記事監修医師
前田 裕斗 先生
2018/12/20
記事監修医師
前田 裕斗 先生
子供は夫婦の愛の結晶と例えられるように、子供を望む夫婦にとって、互いに協力し合うことはとても大切です。
協力とはいったいどのようなことを指すのか、こちらでは夫婦で取り込むことの大切さについてご説明していきます。
妊娠を望むための積極的な活動を妊活と呼ぶことがあります。
妊活に取り組んでも妊娠が成立しないと女性に問題があると思われがちですが、男性不妊が原因で妊娠に至らないケースがあることをご存知でしょうか。
男性不妊といってもその原因は様々で、精子の数が少ない乏精子症、精液に精子が含まれていない無精子症、精子の運動率が低い精子無力症、性交を行なっても射精に至らない性機能障害があります。
また、男性側に問題があるとされる不妊は、40年前に比べて増加傾向にあるといわれています。
もちろん、女性側に問題がある場合もありますし、男女両方に問題があることも4組に1組の割合であるとされています。いずれにしても、妊娠を望む夫婦は、互いの協力が必要不可欠です。
妊活を始めるには、夫婦ともにきちんとした知識を身につけることが大切です。
妊娠を成立させるには、まず女性側が自身の排卵のタイミングをきちんと把握しておく必要があります。
女性は月に1度程度の頻度で排卵が行なわれ、排卵された卵子が精子と出会い受精したあと、着床、妊娠と進んでいきます。
排卵のタイミングを知るためには、定期的に婦人科検診を受け、毎日決まった時間に基礎体温を測るようにしましょう。
基礎体温とは、絶対安静時の体温のことを指し、計るときは目を覚ました直後に舌下で計ります。
専用のグラフ表に記していくと低温期と高温期の2つに分かれ、低温期は月経が始まってから排卵が起こるまでの時期のことを指し、高温期は排卵後になります。
基礎体温の移り変わりを記録しておくことで、正常に排卵が行われているか、生理周期は正常か、排卵後のホルモンが足りているかなど妊娠に重要な要素がわかってきます。
男性側は女性が妊娠した後に生活が大きく変化するということも、事前に十分理解しておく必要があります。
この変化には個人差がありますが、たとえば「つわり」が日常生活もままならないほどの強烈なものになったりすることもあるのです。また、ホルモンの影響によって精神的に不安定になることや、お腹が大きくなることで家事がうまくできなくなってしまうこともあるでしょう。
男性側は、女性にこのような変化が起こる可能性があることを理解したうえで、積極的にサポートしていく覚悟を持ちましょう。
他にも、女性に比べてると、男性は妊娠・出産にむけて気持ちがついていきにくいという側面もあるようです。
自分の体が変化するわけではないので当然のことではありますが、パパとしての心構えを得るためにも、第三者の意見を参考にしたり、両親学級などに参加したりするようにしましょう。
夫婦といっても互いに理解しがたい部分はたくさんあります。
妊活をきっかけに夫婦で向き合い、今まで以上に話す機会を増やすと、なかなか授からなくてつらい時期を乗り越えやすくなるかもしれません。
精子は2~3日の寿命があるとされていますが、卵子は排卵後24時間しか寿命がありません。
性交のタイミングを排卵日に合わせている人もいるかもしれませんが、妊娠の可能性が高いタイミングは、排卵日の2日前、次いで排卵日の前日といわれています。
精子の寿命と卵子の寿命を考えると、排卵日の6日前から36~48時間ごとに性交すると、より妊娠の可能性が高まるでしょう。
目安としては、週に3日程度性交を行なうのが理想です。
そして、女性はアプリなどを利用して自分で排卵のタイミングを把握し、男性にうまく伝えられるように工夫しましょう。たとえば、健診の報告と一緒に、医師から性交のタイミングを合わせるようすすめられたと伝えると、スムーズに話を持っていきやすいかもしれませんね。
男性が妊活に非協力的な場合や妊活に対して夫婦間で温度差がある場合は、精神的に追い詰められてしまうことにもなりかねません。
そのようなときには、ます妊娠にとらわれすぎず、まず「2人の時間」を大切にしましょう。
排卵のタイミングに合わせて性交をすると前述しましたが、これがあまり義務的になってしまうと、性交に対してストレスを感じる男性も多いようです。
妊娠を焦っている女性とマイペースな男性とでは、気持ちがどんどんすれ違い、互いがストレスの原因になってしまう可能性があります。
男性にプレッシャーを与えないように、十分な愛情表現とストレスフリーな生活を心がけ、相手の気持ちを思いやりながらゆっくりと妊活に取り組んでいってください。
妊活は、夫婦の協力がないと行えません。
基本的な知識をつけることはもちろんですが、互いを思いやる心を忘れずに、ゆっくりと取り組んでいきましょう。
ただ、一般的には男性側の方が妊活に対して理解が乏しいといわれています。男性は今一度妊娠や妊活に対しての理解を深めるように努めることをおすすめします。
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