閉塞性動脈硬化症の初期症状ってどんなもの?どうすれば予防できる?

2019/1/19

山本 康博 先生

記事監修医師

東京大学医学部卒 呼吸器内科医

山本 康博 先生

三上 貴浩 先生

記事監修医師

東京大学医学部卒 医学博士

三上 貴浩 先生

手足がしびれる、歩くと足が痛い、じっとしていても手足が刺すように痛むなどの症状があれば、それは足の病気ではなく、血管の病気・閉塞性動脈硬化症かもしれません。ここでは足の動脈硬化である閉塞性動脈硬化症について、いったいどんな病気なのか、またどう予防することができるのかを、解説していきます。

閉塞性動脈硬化症ってどんな初期症状があるの?

ももやふくらはぎが痛くなって歩けなくなり、少し休むと治まるというような症状があれば、最初は湿布やマッサージなどで治そうとする人も多いことでしょう。
しかし、痛む頻度が多くなったり、歩いていないときでもしびれや痛みを感じるようであれば、足の血管に動脈硬化が起きている可能性があります。聞きなれない病名かもしれませんが、これを閉塞性動脈硬化症といいます(なお、閉塞性動脈硬化症は、最近はもう少し幅広い概念を表す「末梢動脈疾患(PAD)」と言われることが多くなっていますが、この記事では「閉塞性動脈硬化症」を使っています)。

閉塞性動脈硬化症は中高年の男性に多くみられる疾患で、放置していると潰瘍ができ、最悪の場合は足を切断しなければいけないケースもあります。したがって、いかに早くこの病気に気づくことができるか、正しい処置を受けられるかが、非常に重要になってきます。

最初の初期症状としては代表的なものは冷えであり、もしこれまで冷え性でもなかったのに、急に季節を問わず足元が冷えるようになった、歩いている時に軽いしびれを感じる、などの症状が見られた場合には注意が必要です。すみやかに医療機関を受診するようにしてください。

初期症状を放置しておくと、どんな症状が出てくる?

閉塞性動脈硬化症の初期症状として、もっとも典型的なものが「間欠性跛行」です。
間欠性跛行とは、安静にしているときや歩き始めは痛みを感じないのに、歩き続けることで痛みや痺れ、疲労感を感じるようになることです。足を引きずるような歩き方になり、休憩を挟めば歩けるようになることが特徴です。もし長時間歩いているときに、「歩く」「休憩」をくり返している場合は間欠性跛行のサインの可能性があるので早めに病院へ行きましょう。

また、閉塞性動脈硬化症には、ぜひ覚えておきたい注意点があります。それは、この病気の診断を受けた段階で、足だけではなく、脳や心臓などの血管にも動脈硬化が生じている可能性があるということです。これは、脳卒中や心筋梗塞など「命の危険がある病気」のリスクも高い状態にあるといえます。

閉塞性動脈硬化症は、初期段階で気づくことができれば足を切断するといった状況を免れることができます。しかし、反対に足の痛みと軽く考えて放置してしまうと、知らない間に全身の動脈硬化が進行してしまう恐れがあるのです。

間欠性跛行の兆候があるときはもちろんですが、足の痛みが頻繁に起こったり、思い当たるきっかけがないのに足に痛みがあるときは、早めに病院で検査してもらいましょう。

足の冷えや痺れを感じたら病院で検査を

これまでにはない冷え、「歩く」「休憩」をくり返すといった「間欠性跛行」に気づいたら、その時点でかならず医療機関を受診することを強くおすすめします。

病院では、視診、触診、上腕・足関節の血圧比検査(ABI)、血管造影剤を使用したレントゲン検査医、そのほかサーモグラフィーや超音波を用いて、精密に検査が行われます。
また、動脈硬化に関連するほかの病気を合併している可能性が高いため、糖尿病や高血圧、高脂血症などの検査をすることもあるでしょう。

これらの検査で、自覚症状がほとんどない状態でも病気を見つけることができることもあります。少しでも「おかしい」と感じる程度であっても、念のため病院を受診するようにし、検査を受けた方がいいか医師に判断してもらいましょう

閉塞性動脈硬化症を予防するには?

動脈硬化は血管の老化ともいわれることから、どんな人にでも起こる可能性があるということはおわかりかと思います。
では、閉塞性動脈硬化症を予防するために、私たちが日頃からどんなことに気をつければよいのでしょうか? 以下の項目を、ぜひチェックしてみてください。

日頃からの運動
動脈硬化の進行を遅らせるためには、運動が欠かせません。血液の循環を促進させるとともに、筋力をつけることで血管の伸縮を助けることができます。できれば週に3回以上、30分〜1時間適度のウォーキングが良いとされていますが、まずは階段を使うように心がけるなど、できることから始めてみましょう
生活習慣病を放置しない
閉塞性動脈硬化の患者さんのうち、全体の3/5に高血圧の持病があり、1/4に糖尿病の持病がみられるというデータがあります。症状がないことを理由に、高血圧や糖尿病などといった生活習慣病を放置してはいけません
足先の冷えの確認
初期症状の冷えを見逃さないようにしましょう。定期的に足先を触るなどし、左右の感覚におかしなところがないか、片方だけ冷えていないかなど、チェックしてみてください

おわりに:足の痛みや冷えに注意し、日頃からの運動で動脈硬化を防ごう!

閉塞性動脈硬化は、誰もがかかる可能性のある病気です。日頃から運動を心がけるとともに、動脈硬化を促進させる喫煙やストレスを排除して、とにかく予防に努めましょう。また、冷えや痛みに気づいたら放置せず、すみやかに医療機関を受診してください。

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