記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
2018/10/2
記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
たくさん食べても太りにくく、やせ型の人に多く見られる症状とされる胃下垂(いかすい)。
一般的に女性に多いとされるこの症状は、何が原因で起こるものなのでしょうか。
今回は胃下垂という状態について、そもそもどんな状態の胃を指しているのか、その原因や治療の必要性とあわせて解説していきます。
胃下垂とは、通常は上腹部にあるはずの胃が、正常位よりも低い下腹部に近い位置にまで垂れ下がった状態を言います。一般的にやせ型の人、また男性よりも筋肉の少ない女性に多いとされる疾患です。
発症していても自覚症状がない場合が多いですが、胃下垂によって起こる代表的な症状には、以下のようなものが挙げられます。
また上記以外にも、食後の満腹時におなかの上部ではなく下腹部がぽっこり出て苦しく感じるのも、胃下垂の人の特徴です。
胃下垂になる原因としては、以下の4パターンが考えられます。
通常、胃は内臓筋や腹部にある脂肪により支えられることで、正位置を保っています。
このため、体質的に胃を支える筋肉や脂肪の少ないやせ型の人や、筋力が衰えやすい高齢者などは、特に胃下垂を起こしやすいといわれているのです。
胃の働きを司る自律神経は、ストレスに非常に敏感です。
仕事上のストレスや多忙、睡眠不足が続くと知らず知らずのうちにストレスが蓄積され、自律神経のバランスが崩れて胃下垂が起こるケースもあります。
暴飲暴食や早食いなど、よく咀嚼しないで大量の食べ物を胃に流し込むような食べ方は消化不良を招き、胃にとって大きな負担となります。
このような食べ方ばかりしていると胃の機能低下を招き、さらに内臓筋をも衰退させるため、胃下垂の原因となります。
極度の猫背など、慢性的に姿勢が悪い人は骨盤が開きやすく、内臓が下がりやすくなります。
このため、姿勢の悪さや猫背・骨盤のゆがみも胃下垂の一因となるのです。
胃下垂は病気ではなく体質と考えられているため、基本的には治療の必要はありません。
ただ、胃下垂でない人に比べて消化機能が低下している可能性はあるので、暴飲暴食や極度に冷たい・熱いものの摂取を控え、よく噛んで食べるように意識すると良いでしょう。できるだけ過労やストレスを避け、少量の食事を頻回に分けて摂るのも効果的です。
しかし、以下のような症状が出ている場合は日常生活に支障をきたす可能性もあるので、一度病院に行って内科・消化器科の医師に診てもらうことをおすすめします。
胃が垂れ下がって位置が低くなり、消化不良や腹痛、食欲の増減、便秘または下痢などの症状を起こす胃下垂は、やせ型の人や高齢者に多い状態です。内臓を支える筋力や脂肪の衰退、胃の機能低下などで起こるとされますが、病気ではなくあくまで体質と考えられているため、治療の必要性は原則ありません。ただし、腹痛や下痢・便秘・消化不良で日常生活に不便があるなら、一度内科または消化器科の病院を受診して相談してみましょう。
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