記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
2018/10/5
記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
胃の中に洗浄液を流し込み、胃の内部を洗って治療する胃洗浄。
なかなか大掛かりな治療ですが、実際に行われるのはどのようなケースなのでしょうか。
今回は胃洗浄について、実際に行われるケースや具体的な手順、胃洗浄をやってはいけないケースまで、わかりやすく解説していきます。
胃洗浄は、人体に危険を及ぼす成分・量の薬物や毒物が胃内に入っていると思われるときに、それらを胃から少しでも早く取り除く目的で行われます。
薬や毒を飲んでから1時間以内に行うと特に除去率が高く、効果的とされている方法です。
胃洗浄が行われるケースの具体例としては、以下のような事例が挙げられます。
特に、意図的に市販薬や処方薬を一度に大量摂取する行為は「オーバードーズ」と呼ばれ、胃洗浄の実施事例が増えて社会問題となってきています。
ここからは、胃洗浄のやり方を実際の手順に沿ってご説明していきます。
上記一連の《1》~《3》の作業を、胃の内容物がなくなって出てくる液体が透明になるまで繰り返すと、胃洗浄が完了します。
うまく胃管を挿入できなかったり、内容物が出てこない場合は、胃管を挿入する穴を変えたり患者の姿勢を変えて対応することもあります。
胃洗浄が行えない「禁忌」のケースとしては、以下の3つが挙げられます。
上記のような毒物・薬物を飲み込んだ場合は、化学性肺炎や消化器粘膜の損傷を引き起こす可能性があるため、胃洗浄を行ってはいけないとされています。
胃洗浄が禁忌にあたる場合、しかし薬物の同時服用が疑われて胃洗浄の必要性があると判断される場合は、綿密な検査のうえで他の治療法がないかが検討されることになります。
意図的に大量の薬を服用するオーバードーズや、子供による薬・たばこ・おもちゃなどの誤飲の際に、胃洗浄は積極的に行われます。方法としては左側を下にして患者を横向きに寝かせ、鼻から胃まで管を挿入して洗浄液を流し込む方法が一般的です。ただ、胃洗浄は飲み込んだ毒物や患者の状態によっては行えないケースもあります。いずれにしても胃洗浄が必要な事態にならないように、十分に注意してください。
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