症状に合う胃薬の選び方は?服用のタイミングや注意点もご紹介!

2018/10/4

山本 康博 先生

記事監修医師

MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長
東京大学医学部卒 医学博士
日本呼吸器学会認定呼吸器専門医
日本内科学会認定総合内科専門医
人間ドック学会認定医
難病指定医
Member of American College of Physicians

山本 康博 先生

ひとくちに胃の不調と言っても、発症の原因やきっかけは人それぞれです。
そうなると当然、服用する胃薬もその人の症状にあわせたものを選ぶ必要が出てきます。
今回は薬の選び方、服用のタイミングから注意点まで、自分の症状に合った薬を選ぶために必要な知識をご紹介していきます。

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症状に合う胃薬の選び方をご紹介!

ここからは、市販薬の中から、現れる症状ごとに選ぶべき胃薬のタイプをご紹介していきます。
あなたの状況に近いものから、症状に合うタイプの胃薬を探してください。なお、胃の症状の中には病院での検査、処方薬での治療が適切なものも含まれていますので注意しましょう。

一時的な胸焼けや胃痛には?
「H2ブロッカー」「M1ブロッカー」「ピレンゼピン塩酸塩」成分配合の胃薬
暴飲暴食やストレスによる慢性的な胸焼け、胃痛には?
「炭酸水素ナトリウム」「水酸化マグネシウム」などの胃酸中和成分、または「アルジオキサ」「スクラルファート」「テプレノン」など胃粘膜保護成分配合の胃薬
ストレスによるキリキリするような胃痛には?
鎮痛鎮痙作用のある「ロートエキス」「ブチルスコポラミン」「オキセザイン」配合の胃薬
消化不良による胃もたれ、胃のむかつきには?
消化を促進する「リパーゼ」「ジアスターゼ」など消化酵素や、胃の機能を回復させる「カルニチン塩化物」「健胃生薬」など健胃成分配合の胃薬
症状がはっきりわからないが、胃の調子が悪いときは?
胃粘膜を保護する「キャベジン」や消化を助ける「ジアスターゼ」、健胃作用のある「カルニチン塩化物」などのさまざまな成分を配合した胃薬

胃薬を服用するタイミングは?

胃薬がその効果を最大限に発揮するには、それぞれの特性にあわせて服用するタイミングも変える必要があります。
以降では前項でご紹介した5種類の胃薬を、食前・食後・食間いずれのタイミングに服用するのがベストかについて解説していきます。

食前(食前30分くらい)に飲むべき胃薬のタイプ
消化酵素・健胃成分を含んだ「消化不良による胃もたれ、胃のむかつき」に効果的な胃薬。
食後(食後30分くらい)に飲むべき胃薬のタイプ
消化酵素・健胃成分を含んだ「消化不良による胃もたれ、胃のむかつき」、または「症状がはっきりわからないが、胃の調子が悪いとき」に効果的な胃薬。
食間(直前の食事から2時間後くらい)に飲むべき胃薬のタイプ
H2ブロッカーなどを含む「一時的な胸焼けや胃痛」、胃酸中和・胃粘膜保護成分を含む「暴飲暴食やストレスによる慢性的な胸焼け、胃痛」、鎮痛鎮痙成分を含む「ストレスによるキリキリするような胃痛」に効果的な胃薬。

ただし、基本的には薬の取扱説明書または医師からの指示に従って服用してください。

胃薬を飲むときの注意点は?

市販薬・処方薬にかかわらず、胃薬を服用するときには副作用に注意が必要です。
特に慢性的な胃の不調から、長期間にわたって常用的に胃薬を服用する場合には、短期服用では現れない副作用にまで注意を払わなければなりません。

例えば、胃酸中和成分を含む胃薬を高齢者が長期服用した場合には、脳内にアルミニウムやマグネシウムが沈着していくという報告もされています。

他の薬との併用によって思わぬ副作用が起こるリスクもありますから、長期的に胃薬を服用するなら医師や薬剤師の説明をよく聞き、薬についてしっかり理解しておきましょう。
もし、胃薬の服用で体調が悪くなったときはすぐにかかりつけの医師に相談してください。

おわりに:胃薬は自分の症状にあったタイプのものをベストタイミングで服用しよう

胃薬にはさまざまなタイプがあり、含まれる成分や効き目のある症状が異なります。胃の不調で胃薬を飲むなら、あなたの症状に効果的な薬を選んで服用する必要があります。薬の効果・効能は説明書を読めば確認できますが、自分だけで選ぶのが難しい場合は薬局やドラッグストアの薬剤師に相談するか、病院に行って医師に症状を伝えて処方してもらうのが良いでしょう。その際には、薬の副作用や注意点もしっかり確認してください。

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