記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
2018/9/14
記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
ビールを飲んだり焼肉を食べたりした後に胸焼けが起こるのは何故なのでしょうか?また、こうした暴飲暴食による胸焼けにはどんな胃薬が効果的でしょうか。それぞれ以降で解説していきます。
胸焼けとは、食べ過ぎ・飲み過ぎ・消化しにくいものの過剰摂取などにより起こる、胸が焼けるような不快感です。これは、主に胃の噴門の括約筋の異常により、胃液にまみれた胃の内容物が逆流して食道の内壁が刺激されることで起こります。
ただ、最近では食生活の洋風化に伴い肉食が増えたことで、胃液の分泌量が増加傾向にあることが原因になっていると指摘されています。
そのほか、アルコールやタバコ、香辛料・果汁・炭酸飲料の過剰摂取や、暴飲暴食、ストレスなどが原因になることもあります。
胸焼けに効果が期待できる胃薬には、胃酸の分泌を抑えるもの、胃酸を中和するものに分けられます。
胃酸は、ヒスタミン受容体という胃の粘膜の壁細胞という部分にヒスタミンが結合することにより分泌されるようになっていますが、H2ブロッカーという種類の胃腸薬を服用すると、ヒスタミン受容体にヒスタミンの代わりに結合する作用があるため、ヒスタミンと受容体の結合がブロックされます。
ヒスタミンがブロックされると、胃酸の分泌を抑制することができ、胃痛、胸焼け、もたれ、むかつきなどの症状を改善することができます。
胃酸の過剰分泌により胃痛、胸焼け、飲み過ぎなどの症状がある人
過剰に分泌されている胃酸を直接中和することにより、治癒を促す効果があります。
昔から広く使用されている薬で、比較的安全性が高い薬とされています。
酸化マグネシウム、炭酸水素ナトリウム、合成ヒドロタルサイト、無水リン酸水素カルシウムなどの成分が単独で配合されているタイプのものもありますが、他の胃薬に含まれている成分と合わせて配合されているタイプのものが多いとされています。
胃薬を飲んでも良くならないときは、以下のような病気の可能性があります。早めに内科、消化器科、胃腸科などを受診しましょう。
暴飲暴食の習慣、加齢、肥満などが原因となり胃酸が逆流しやすくなる症状で、近年発症する人が増えてきているとされています。
主な症状として、胸焼け(特に食後)、喉や胸のつかえなどがありますが、食道の炎症は逆流性食道炎の場合に見られ、胃食道逆流症では見られないとされています。
ピロリ菌、慢性的なストレス、暴飲暴食などが原因で胃の粘膜が弱まることにより、炎症が頻繁に起こり治りにくくなっている状態のことです。
主な症状として、突然起こる胃痛や吐き気、慢性的に起こる胸焼け、胃痛、胃もたれ、膨満感、吐き気、げっぷなどがあり、病態が進行すると胃潰瘍になることもあります。
ピロリ菌、ストレス、非ステロイド性消炎鎮痛剤、ステロイド薬などにより胃粘膜が傷つけられることに加えて、消化作用のある胃酸・消化酵素が胃粘膜や胃壁を消化することにより、みぞおち周辺のズキズキとした重苦しい痛みや、食事中・食後の痛み、胃もたれ、胸焼けなどの症状が起こる疾患です。
ピロリ菌、ストレス、非ステロイド性消炎鎮痛剤、ステロイド薬などが原因となり粘膜が傷つくことに加えて、消化作用のある胃酸・消化酵素が十二指腸の粘膜や壁を消化することにより発症します。
胸焼けとは胃の墳門の括約筋に異常が発生して、胃液にまみれた食物が逆流することにより、食道の内壁が刺激される状態のことをいいます。胸焼けに効果のある胃薬として、ガスター®10、サクロン®S、パンシロン®AZなどがあるので、症状に合わせて使用してみるのもいいでしょう。ただし、胃薬を使用しても症状が改善されない場合は他の疾患が隠れている場合があるため、医療機関を受診しましょう。
この記事の続きはこちら