季節の変わり目の咳や鼻水は「寒暖差アレルギー」のサインかも?

2018/9/28

山本 康博 先生

記事監修医師

東京大学医学部卒 呼吸器内科医

山本 康博 先生

急に涼しくなると、鼻水や咳などの症状が出る場合、「もしかして風邪?それともアレルギー?」と思う方は少なくありません。しかしそれとはまた別の、「寒暖差アレルギー」というものがあるのをご存知ですか?特徴など、以降で詳しく解説していきます。

季節の変わり目の咳や鼻水をもたらす「寒暖差アレルギー」とは?

寒暖差アレルギーとは、急激な気温の変化が原因となって、風邪やアレルギーのような症状が出ることです。医学的には「血管運動性鼻炎」と呼ばれます。

人間は、「昨日まで暖かかったのに急に肌寒くなった」など急激な寒暖差を感じると、自律神経が乱れるようになるといわれます。
普段自律神経は、寒ければ血管を収縮させて体温を逃さないようにし、暑ければ血管を拡張させて汗をかきやすくするなど、そのときの温度に順応できるよう調整する役割を担っています。しかし、自律神経が適応できる寒暖差はおよそ7℃までといわれており、それを超える寒暖差になると温度調整が追いつかず、さまざまな不調が現れるようになります。特に7℃以上の寒暖差がある場合は、鼻粘膜の血管が拡張し、むくんでアレルギーのような症状が出る傾向にあります。

この寒暖差アレルギーの主な症状は、以下のとおりです。

  • サラサラとした鼻水、鼻詰まり
  • くしゃみ
  • 皮膚のかゆみ
  • じんましん
  • 食欲不振
  • 不眠
  • 倦怠感
  • イライラ など

風邪やアレルギーとどう違うの?

一般的に風邪のような感染症では、発熱やのどの痛みが現れますが、寒暖差アレルギーでこうした症状が現れることはほとんどありません。また、風邪でも鼻水は出ますが、風邪のときの粘性で黄色っぽい鼻水と違い、寒暖差アレルギーの鼻水は透明でサラッと水っぽいのが特徴です。

一方、花粉症などのアレルギーとの違いですが、寒暖差アレルギーは花粉やハウスダストといった原因のアレルゲンがあるわけではないので、アレルギー検査をしても特に異常は見つかりません。また、アレルギーでは目のかゆみや充血などの目の症状がひとつの特徴になりますが、寒暖差アレルギーではこうした目の症状が現れることも基本的にはありません。

寒暖差アレルギーかもと思ったら何科に行けばいい? 治療法は?

寒暖差アレルギーかもと思ったら、出ている症状で受診する診療科を選びましょう。鼻水やくしゃみなどのアレルギーのような症状がメインなら耳鼻咽喉科、全般的な体調不良であれば内科、イライラがメインであれば心療内科、皮膚のかゆみなら皮膚科といった具合です。

また、治療法もその人の症状によって大きく異なりますが、鼻炎のような症状が強ければ抗アレルギー薬や点鼻薬が処方されるのが一般的です。不眠症状があれば睡眠薬、皮膚のかゆみがあれば外用薬などが適宜処方されることがあります。

寒暖差アレルギーに有効なセルフケアが知りたい!

そもそも寒暖差アレルギーの原因は自律神経の乱れなので、基本的な体調管理が一番の対策となります。具体的には、以下のことに気をつけるようにしましょう。

運動習慣をつける

特に筋肉量の少ない女性や高齢者などは、寒暖差アレルギーになりやすいといわれています。毎日軽いウォーキングや筋トレなどを取り入れ、基礎代謝を上げることが大切です。

体を冷やさない

近年では、クーラーの効きすぎたオフィスにいることで、夏場に寒暖差アレルギーの症状が出るケースも増えています。ひざ掛けやカーディガンなどの防寒グッズを持っていき、体を冷やさないようにしましょう。また、しょうがなどの体を内側から温める食べ物を日々の献立に取り入れることも大切です。

おわりに:季節の変わり目は体調管理に一層注意を

「寒暖差アレルギー」の存在をこの記事で初めて知った、という方も少なくないでしょう。急激な気温差があればどんな人でも発症する可能性はあるので、着脱しやすい服装を心がけたり、日頃の生活習慣を見直したりと対策に努めましょう。

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