記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
2018/10/3
記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
胃のあたりを押すと痛む場合、病気のサインなのでしょうか?また、解消方法はあるのでしょうか?胃のあたりを押して痛む時に考えられる原因や解消方法について解説していきます。
お腹の左上を押した時に痛みを感じる場合は、胃と横隔膜のエリア、つまり左側の肋骨とお腹の変わり目部分が痛んでいるということになります。
胃のエリアに痛みや固さがあると、横隔膜が固くなることにより胃がムカムカしたり胃もたれが発生したり、甘い物を食べ過ぎて胃下垂が治らない、などの症状が引き起こされます。胃に負担をかける原因は、ストレスだけではないのです。
暴飲暴食、消化に時間のかかる食べ物、アルコール、香辛料、果汁、炭酸飲料などの過剰摂取は胃に負担をかけ、胃もたれの原因となります。特に脂っこいものは胃から十二指腸に排出されるまでに時間がかかるため、胃もたれを引き起こしやすいとされていますので、食事内容には十分注意してください。
また、ストレスを感じる状態が長く続くと、胃や十二指腸の働きのコントロールを司っている自律神経のバランスが乱れて、胃から十二指腸に食べ物を排出する蠕動運動に影響を及ぼし、胃もたれが起こることがあります。忙しい人もこまめにストレスを解消するようにしましょう。
そのほか、タバコに含まれているニコチンも胃の排出機能低下に繋がり、胃もたれの原因となるので、できれば禁煙にチャレンジしてみてください。
そして、運動不足は胃の排出機能が低下の原因になることがあり、胃の中に食べ物が長時間留まりやすくなります。つまり、運動不足も胃もたれの原因になることがありますので、適度な運動を心がけましょう。
また、マッサージや市販薬で一時的に回復できることもありますので、以下のことを参考にしてみてください。
ピロリ菌(ヘリコバクター・ピロリ菌)とは、胃の強い酸の中に生息している細菌で、胃酸から自身を守るために常にアンモニアを出し続ける作用があります。しかし、ピロリ菌が出しているアンモニアによって胃の粘膜が繰り返し傷つけられ、慢性胃炎が頻繁に起こると、胃もたれの原因となることがあります。まだピロリ菌の検査をしたことがないという人は、検査を受けてみましょう。
また、胃もたれが慢性化している場合は、何らかの疾患が原因となっている可能性もあります。内科、消化器科、胃腸科などを受診して一度診てもらいましょう。
飲み物で確実に胃もたれが解消できるわけではありませんが、以下の飲み物は胃もたれへの効果が期待できる場合があります。
あくまでも補助的な対策として試してみましょう。
炭酸には胃の働きを活性化させて胃液の分泌を促進する効果があるといわれています。
そのため、脂っこい物を食べたときや食べ過ぎたときに炭酸水を飲むことで、胃もたれを和らげることができる場合があります。
ただし、飲み過ぎると胃に負担がかかり、かえって症状が悪化するおそれがあります。適量を心がけましょう。
ココアに含まれているオレイン酸やリノール酸には、胃酸の分泌を抑制したり胃もたれ改善に効果的とされています。冷たい状態で飲んでも効果はありますが、温めて飲む方が胃の働きを良くする効果が高いといわれています。
りんごには、消化を促進する効果が期待できます。生のりんごをすりおろしてジュースにして飲んでみてください。
冷たいものより温かいものの方がお腹にやさしいので、温めて飲むことをおすすめします。
牛乳と豆乳には、胃酸を中和する作用があります。胃もたれの緩和だけでなく、予防にも効果が期待できます。
青汁には、胃を保護する作用やストレスを緩和する作用があるといわれています。また、アルコールを分解する作用もあるといわれているため、食べ過ぎや飲み過ぎた後に飲んでもいいでしょう。
胃のあたりを押すと痛いときは、横隔膜などが固くなっているサインの可能性があります。ここが固くなると胃がムカムカしたり胃もたれが発生したり、甘い物を食べ過ぎて胃下垂が治らなくなる、などの症状が引き起こされます。胃もたれがある時はお風呂でマッサージをしたり、市販薬を使用してみて、それでも改善されない場合や症状が持続する場合は医療機関を受診しましょう。
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