記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
2025/11/12
記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
秋口、春先などの季節の変わり目は体調を崩しやすく、感染症が流行しやすいシーズンでもあります。「季節の変わり目は風邪を引きやすい」などと言われることもありますが、これはどのような理由が関係しているのでしょうか。この記事では、季節の変わり目と免疫機能の関係性と風邪などの感染症予防に役立つ食生活のポイントについて解説していきます。
夏から秋、そして秋から冬にかけてなどの季節の変わり目は、風邪などの感染症になる人が増える傾向にあります。これは、急激な気温・天候の変化などが原因で免疫機能のバランスが乱れやすくなることが関係していると考えられています。
風邪などの感染症を引き起こす原因微生物(ウイルス・細菌など)は、よく触る物(つり革・ドアノブ・電灯のスイッチなど)や飛沫などに存在しています。健康で疲労が溜まっておらず、免疫機能のバランスが維持されている状態では、体内に侵入した原因微生物を免疫細胞が退治してくれます。しかし、疲れやストレスが溜まっている・睡眠不足である・食生活が乱れている・自律神経のバランスが乱れているなどが原因で免疫機能バランスが乱れると、このような機能がうまく働かなくなり、感染症になりやすくなるといわれています。なお、秋から冬の季節は、空気が乾燥し始める季節です。空気が乾燥して気道の粘膜が乾燥すると、粘膜の防御機能が低下して体内に侵入してきた原因微生物をうまく排出できなくなる場合があります。
風邪などの感染症を予防するためには、手洗い・うがい・マスクの着用・除菌などが予防の基本になります。また、食生活・生活習慣を見直し、健康的な生活を心がけることも免疫機能のバランスを維持することに役立ち、感染症予防につながります。栄養バランスの整っている食事を3食規則正しく摂ることが基本となりますが、以下の栄養は免疫機能に関係しており、不足しやすい傾向にもあるため積極的に摂ることをおすすめします。
目・鼻・口・のど・腸管などの原因微生物や花粉などのアレルゲンの侵入を防ぐ働きがあり、ビタミンAには粘膜の健康を保つ働きがあるといわれています。脂溶性ビタミンのため、油と一緒に摂取すると吸収されやすくなりますが、サプリメントで過剰摂取をすると健康を損なう場合があるので注意が必要です。なお、緑黄色野菜などに含まれるβカロテンは、体内でビタミンAに変換されるためプロビタミンAと呼ばれています。
ビタミンCには抗酸化作用があり、免疫機能の維持にも関係しており、皮膚や粘膜の健康維持にも役立つといわれています。水溶性ビタミンで体内に蓄積されないため、摂取上限は設けられていません(過剰摂取をすすめるものでありません)。
たんぱく質・アミノ酸は、のどや鼻の粘膜の材料になる成分で、免疫機能の維持にも役立つといわれています。なお、鶏肉・大豆食品などに含まれる「シスチン」というアミノ酸は、免疫機能に関係している「グルタチオン」という物質の材料となります。
風邪などの感染症を予防するには、手洗い・うがい・マスクの着用・除菌などの予防対策の基本を守り、健康的な生活を心がけることが大切です。健康的な生活習慣・食生活を送ることは、自律神経や免疫機能のバランスを保つことにもつながるため、季節の変わり目の風邪の予防にも役立ちます。ただし、予防対策は毎日継続することが大切ですので、できることから気長に取り組むようにしてください。なお、風邪などの感染症は、早めの対策が早期回復につながります。気になる症状があるときは、早めにかかりつけ医などに相談することをおすすめします。
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