低血糖症かどうかを診断するために、どんな検査をするの?

2018/10/12

山本 康博 先生

記事監修医師

東京大学医学部卒 呼吸器内科医

山本 康博 先生

低血糖症の疑いがある場合、どのような検査を経て診断をしていくのでしょうか?検査内容や、検査結果がわかった後の流れなど、詳しく解説していきます。

低血糖症の検査ってどんなことをするの?

「低血糖症(血糖調節異常)」とは、すい臓のインスリン分泌の異常から血糖の急激な上昇・下降が起こり、それに伴って内分泌系や自律神経の不調和が起こって心身にさまざまな症状を引き起こすものです。

低血糖症の原因としては、日本では血糖値を下げるための治療や無秩序にインスリンを分泌するインスリノーマという腫瘍によるものが知られていますが、現在ではそれとは異なる典型的な現代病として、機能性低血糖の存在が明らかにされています。しかし、医師のあいだでも認知度は高くない病気です。

低血糖症は血糖値が低くなる病気と思われがちですが、血糖調節異常によって血糖のコントロールができなくなり正常な状態を維持できなくなるもので、糖尿病も同じ範中に入るといえます。検査は、5時間にわたる糖負荷検査を行います。その結果により病気の状態が評価され、低血糖症であることが判断されます。

5時間糖負荷検査ってどんな検査?

「5時間糖負荷検査」は、保険診療外の検査です。

まず、前日の夜10時以降は絶食して水以外の飲食物はとらず、当日の朝から検査開始までに500cc以上の水を摂取します。当日は医師の診察後、まず尿検査と最初の空腹時採血・検温を行います。その後75gのブドウ糖が含まれた医療用のジュースを摂取し、15分、30分、60分、90分、120分、150分、180分、240分、300分後の9回、計10回の留置針による採血・検温を行い、血糖、インスリンを調べ自律神経の反応と症状の関係を調べます。

それぞれの検査時に自覚症状の変化などを記入しますが、体への負荷から検査中に症状が強く出たり、終了後に自律神経のバランスを悪化させる場合もあります。なお、結果がわかるのはおおよそ2週間後です。

検査結果がわかったら、どんなことをするの?

低血糖症などが明らかになった場合には、「栄養療法」が行われます。栄養療法では、栄養補給食品を摂ることで細胞を活性化または修復し、身体の自然治癒力と生命活動を高めて緩やかに病気を治していきます。

低血糖症は酵素の働きが低下してエネルギー生成がうまくいかず、通常の数倍から数十倍のビタミン・ミネラルを必要とします。そのため、食事や運動療法などを行いながら栄養療法を行うことで、酵素を活性化させ症状を改善していきます。

医師の処方と指導に従って治療を進めれば、通常3~5週間で効果があらわれはじめますが、症状が治まってもホルモン分泌や自律神経機能などが改善したわけではありません。症状の有無に関わらず継続治療を続ける必要があり、6ヶ月程度で治療効果に伴い処方量が減らされていくことになります。その後は、指示された期間ごとに定期的に通院し、医師に症状の変化や栄養摂取の効果について報告していきます。

おわりに:低血糖症の疑いがあれば、専門の検査&治療を

低血糖症(血糖調節異常)の疑いがある場合には、前日夜からの絶食、尿検査と10回5時間にわたり採血を行う「5時間糖負荷検査」が行われることになります。治療方針については、2週間後に出る結果に基づいて栄養療法を組み立てていくことになるので、主治医の指示に従いましょう。

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