胃潰瘍で入院する必要があるのはどんなとき?入院期間はどのくらい?

2018/10/10

山本 康博 先生

記事監修医師

東京大学医学部卒 呼吸器内科医

山本 康博 先生

胃潰瘍で入院が必要になるのはどのような場合でしょうか?また、入院期間はどの程度必要なのでしょうか?胃潰瘍の治療法や入院が必要な場合について解説していきます。

胃潰瘍の治療ってどんなふうにするの?

胃潰瘍の治療は薬物療法と生活習慣の改善を中心に進められ、効果が見られない場合や胃からの出血がひどいときは手術が検討されます。また、ピロリ菌の感染がわかっている場合は、ピロリ菌の除菌治療が検討されます。

胃潰瘍の薬物療法

胃酸分泌抑制薬や胃粘膜保護薬などを使用する薬物療法を行います。

生活習慣の改善

胃に負担をかける原因となる、食生活、ストレス、タバコなどを避け、再発を防ぐために以下のようなことを心がける必要があります。

  • 胃に負担をかけない食生活
  • 決まった時間に規則正しく食べ、食べ過ぎないように適量を摂る
  • 脂肪分やタンパク質を多く含む食事を控える
  • 香辛料の強いものなど胃に負担のかかる食品を避ける
  • ストレスを溜めないようにする
  • 市販薬を購入する際は医師や薬剤師に相談をする

胃潰瘍の手術療法

胃潰瘍で血管が損傷を受け出血している場合は、内視鏡的止血と呼ばれる内視鏡の先端に付属されている小さなクリップで血管を止血する治療法が行われます。

ピロリ菌の除菌治療

ヘリコバクター・ピロリ菌(ピロリ菌)に感染していると、胃潰瘍の再発が繰り返されるため、検査で陽性と診断された場合は、2種類の抗生物質と胃酸分泌抑制を組み合わせて行う除菌療法が行われます。
除菌療法を終えて4週間経過した頃に再び検査を行い除菌が成功している場合は、胃潰瘍の再発が見られなくなるとされていて、成功率は約80%といわれています。

胃潰瘍で入院しなければいけないのはどんなとき?

胃潰瘍の可能性がある場合は、バリウム検査や内視鏡検査を行い潰瘍の有無を調べます。
それによって潰瘍が発見された場合は、がん細胞の有無を確認するため組織を採取して調べます。がん細胞がないと確認された場合は、胃酸を抑制する薬の服用や食事療法などを行う生活指導で治療することが多いです。

最近では高い効果が期待できる薬があるため、入院や手術が行われるケースが少なくなっていますが、胃に穴があいている場合は手術を行う必要があります。
また、出血性潰瘍、穿孔性潰瘍、難治性潰瘍、狭窄症などがある場合も入院や手術が必要となることがあります。

胃潰瘍で入院する場合の期間ってどのくらい?

入院して胃の検査を行う場合は、胃カメラや内視鏡による検査が行われます。
内視鏡検査では、胃の内部を直接観察したり、組織や細胞を摂取したり、先端部に端子を付けることにより患部の病変を検査することができます。また、胃潰瘍発症の原因となる食生活や運動習慣の確認も行われます。

病院によって違いはありますが、一般的には検査入院の日数は1~3日程度と考えておくといいでしょう。ただし、吐血や下血などがある場合は、約10~14日間の入院治療が必要となることがあります。

胃潰瘍の入院治療中は、2~3日の絶食を行った後に消化の良い食事を摂りながら胃粘膜の状態を整えていくことになります。吐血や下血でどのくらい血液が失われたかにもよりますが、血液の回復にはある程度の時間が必要になるため、吐血や下血があって入院する場合は、1週間以上の入院が必要になる可能性があると思った方がいいかもしれません。

貧血症状があるときはさらに長期化することも

胃潰瘍による出血で貧血が起きている場合は、血液検査を行って、赤血球の容積・ヘモグロビンの量や濃度の数値を確認します。
血液検査で異常が確認された場合や、体力の低下が見られる場合は状態にあわせて治療が行われます。手術が必要な場合は、血液の状態や体力が回復するまで待つことになります。

貧血や胃潰瘍の状態により入院期間は異なりますが、約1か月程度の入院が必要になると考えておくといいでしょう。

おわりに:必要な入院期間は病態により異なる

胃潰瘍の治療では、薬物治療・ピロリ菌の除菌療法などが基本ですが、胃に穴があいている場合や、出血性潰瘍、穿孔性潰瘍、難治性潰瘍、狭窄症などが見られる場合は入院や手術が必要となることがあります。
検査入院では1~3日程度の入院が必要となり、吐血後の治療入院は10~14日程度、貧血がひどい場合は約1ヶ月程度と、治療に必要な入院期間は病態により異なります。

※抗菌薬のうち、細菌や真菌などの生物から作られるものを「抗生物質」といいます。 抗菌薬には純粋に化学的に作られるものも含まれていますが、一般的には抗菌薬と抗生物質はほぼ同義として使用されることが多いため、この記事では抗生物質と表記を統一しています。

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