十二指腸ポリープが見つかった!これって悪性?手術するしかない?

2018/10/15

山本 康博 先生

記事監修医師

東京大学医学部卒 呼吸器内科医

山本 康博 先生

健康診断のバリウム検査などで、十二指腸にポリープが見つかったと医師から告げられると、とても動揺しますよね。
今回は十二指腸ポリープがどのようなもので、見つかった場合にどのような対応・治療法をとるべきなのかについて、解説していきます。

ポリープってどんなもの?

ポリープは、本来「隆起したもの」「盛り上がっているもの」を指す医療用語です。体内にできた出来物のようなもの、隆起性の病変をすべて「ポリープ」と呼称します。

つまり、十二指腸にポリープがあるという状況は「十二指腸に隆起性の病変、出来物のような盛り上がりが発見された」という状態を指しているなのです。
このポリープがどのような理由で発生していて、どのような性質を持っているかを知るためには、さらに詳しい検査が必要になります。

十二指腸ポリープって悪性なの?

十二指腸にポリープができていても、そのすべてが悪性であるわけではありません。
前述したように、ひと言でポリープと言ってもその病変が起きた理由や性質はさまざまで、良性のものもあれば悪性のものもあります

内視鏡やポリープ組織の生検などにより、その性質や原因を調べることで初めて、十二指腸にできたポリープが良性・悪性いずれの性質を持っているかを判断できるのです。

以下に、精密検査によってわかる十二指腸ポリープの状態について、良性・中間性・悪性の3段階に分けて解説していきます。

十二指腸ポリープのうち、良性に分類されるもの
体質やピロリ菌感染によって生じ、がん化するリスクがゼロに近いもの。

  • 胃底腺型ポリープ
  • 腺窩上皮型ポリープ
十二指腸ポリープのうち、中間性に分類されるもの
ピロリ菌感染でできた大きめのもの、または腺腫と呼ばれるかたちのもの。

  • 胃にできた腺腫(平たいかたちのポリープ)
  • 腺窩上皮型ポリープのうち、3~4cmと大きいもの
十二指腸ポリープのうち、悪性に分類されるもの
かたちや色からしてがんと推測されるもの、生検の結果がん組織であると確認されたもの。

  • 進行性のボルマンⅠ型
  • 潰瘍を伴うⅡ型、Ⅲ型
  • 隆起を伴う0-Ⅰ型
  • 平坦に見えるⅡa型

上記のうち、良性に分類されるものは、基本的に治療も定期観察も必要もないとされます。
ただし、中間性に分類されるものは大きくなったりがん化していないかをチェックするための定期観察が、悪性に分類されるものは速やかな治療が必要になります。

ポリープが見つかったらすぐに手術する?

ポリープの治療に、必ずしも外科手術が必要とは限りません

ピロリ菌感染が原因のポリープの場合は、ポリープを狙って集中的にピロリ菌を除菌することで、手術を行わなくてもポリープの除去できる可能性もあります。

一方ピロリ菌由来ではなく、将来的にがん化する可能性のあるポリープ・腺腫の場合は、内視鏡と一緒に銅製のワイヤーや電気メスなどを使い、手術して取り除くのが一般的です。

ポリープ除去のための内視鏡手術には「内視鏡的ポリープ切除術(ポリペクトミー)」と「内視鏡的粘膜切除術(EMR)」の2種類があり、それぞれの手法は以下の通りです。

内視鏡的ポリープ切除術(ポリペクトミー)の手法

隆起しているポリープの付け根にワイヤーでできた輪(スネア)をかけ、そのまま根元を縛って通電、ポリープを根元から焼き切って回収します。

内視鏡的粘膜切除術(EMR)の手法

平坦なポリープで根元がなく、輪をかけて焼き切る手法が難しいケースにとられる、ワイヤーではなく電気メスを使用する手術方法です。
ポリープのある粘膜下にあらかじめ生理食塩水を打ち込み、持ち上げたうえでポリープだけを電気メスで切除し回収します。

なお、すでにポリープにがん化が見られる場合も、近年では粘膜下層剥離術(ESD)と呼ばれる内視鏡を使った手術で取り除けるようになりました。

粘膜下層剥離術(ESD)の手法

ポリープができている粘膜に生理食塩水を注入して隆起させ、ワイヤーや電気メスで粘膜ごとポリープと周辺の病変組織を取り除き、回収します。
技術的難易度が高く、すべての早期がんに適用されるわけではありませんが、開腹しないので患者への負担が少なくて済むのが大きな特徴です。

おわりに: 十二指腸ポリープのすべてが悪性ではない!まずは精密検査を

ポリープとは、隆起した出来物状の病変のことです。このため、もし十二指腸にポリープが見つかっても、必ずしも悪性であるとは限りません。ポリープは、内視鏡や組織を採取しての精密検査をして初めて、その性質を判定できます。仮に悪性であったとしても、開腹手術ではなく患部の除菌や内視鏡手術で除去できるケースが多いので、治療による身体的負担は少ないでしょう。詳しい治療内容については、担当医師に確認してください。

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