記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
2018/10/24
記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
身体に入った栄養などを分解し、吸収または排出できるかたちに変えてくれる肝臓。
とても大切な器官ですが、それだけに脂肪肝などの病気を発症してしまうと、深刻な事態に陥ってしまう原因にもなります。
今回は脂肪肝が、アルコールの過剰摂取以外の原因で起こることがあるのかを中心にお伝えしていきます。
脂肪肝とは、肝臓に脂肪(特に中性脂肪)が溜まり、肝臓の重さに対して脂肪が占める割合が3割以上にまで上った状態をいいます。発症すると、全身のだるさや食欲不振、黄疸などの症状が出ることもありますが、痛みなどはないため、気づかれずにどんどん進行していくことも多い病気です。
肝臓に溜まった脂肪は、血流にのって全身の血管に流れ出し、血中の悪玉コレステロール値を高め、血管内に沈殿するなどして血流を阻害するようになります。このため、脂肪肝は血管が詰まったり狭くなることで起こる心筋梗塞、動脈硬化、脳卒中などの一因となる病気として知られています。
アルコールが原因で起こるイメージの強い肝臓疾患ですが、脂肪肝はアルコール以外の原因でも発症します。
脂肪肝の原因になり得ると考えられている要素としては、以下が挙げられます。
上記以外にも脂質異常症や高血圧など生活習慣病がある人も脂肪肝になりやすいといわれます。
このように、脂肪肝はアルコール以外によってでも、さまざまな原因で発症する病気です。現に、日本で脂肪肝を発症する人の多くがアルコールの過剰摂取ではなく、食べすぎや太りすぎなどが原因の非アルコール性脂肪性肝疾患を起こしているとされています。一滴もお酒を飲まない人でも、脂肪肝になる可能性は十分にあると理解しておきましょう。
肝機能を正常に戻し、脂肪肝を解消するには、何よりも生活習慣の改善が効果的です。
以下に、前項で確認した脂肪肝の発症原因にあわせて、おすすめの生活と食事習慣の改善策をそれぞれ紹介していきます。
まず間食をやめ、糖質・脂質を控えて栄養バランスを意識した食事を、1日3回規則正しく摂るように習慣を改めましょう。
また、飲み物も脂肪蓄積の原因となる甘いジュースや加糖のお茶・コーヒーは避け、カロリーと糖質の少ないお茶や水を飲むようにしてください。
運動不足の解消には、肝臓の脂肪を燃焼してくれる1日30分程度の早歩きがおすすめです。
普段どのくらいのお酒を飲んでいるのかを正確に把握し、医師に相談しながら、適性といえるレベルまで控えるようにしましょう。
アルコールが原因の脂肪肝の場合、アルコール摂取を控えるだけでもかなり肝機能が改善するとされます。
先述した通り脂質・糖質を控え、1日3食規則正しい食事習慣に切り替え、摂取エネルギーをコントロールしてまずは適性体重を目指しましょう。
また、医師の指導のもと各疾病にあわせた生活改善や服薬も、あわせて実践してください。
すぐに無理なダイエットを中止し、自分の健康状態を医師に診てもらってください。
そのうえで、どのように食事・運動を行えば脂肪肝を解消して健康的に痩せられるのか、指示をあおぐと良いでしょう。
肝機能の低下や、消費しきれないほどの糖質・脂質を身体に取り込み続けると、中性脂肪が肝臓に蓄積していき脂肪肝を発症します。脂肪肝はアルコールの過剰摂取だけでなく、食べすぎや太りすぎ、生活習慣病なども原因として発症します。放っておくと心筋梗塞や動脈硬化の原因となるため、医師に相談しつつ食事と生活習慣を変えて治療していきましょう。
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