記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
2018/10/21
記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
肝臓疾患と聞くと、飲酒によるダメージで発症するイメージがありますが、アルコールが原因でない「非アルコール性脂肪肝」という疾患もあります。
今回は非アルコール性脂肪肝(NASH)がどのような病気なのか、発症原因や一般的な診断・治療の方法とあわせて、解説していきます。
非アルコール性脂肪肝炎(NASH)とは、アルコールの過剰摂取以外の原因で、全体の3割以上を占めるまでに肝臓に脂肪が蓄積した状態のことです。
一般的に、脂肪肝はアルコールの過剰摂取が原因で発症するイメージがありますが、非アルコール性脂肪肝炎(NASH)は、アルコールを飲まない人でも発症するのが特徴です。
非アルコール性脂肪肝炎(NASH)の発症原因としては、以下が挙げられます。
非アルコール性脂肪肝炎(NASH)かどうかは、以下の段階を経て確定診断されます。
飲酒歴、体重の変化、糖尿病・高血圧・脂質異常症など生活習慣病の有無、その他の持病や内服薬の有無と経歴について、医師からの質問に答えます。
血液からは、肝臓の状態を表すALT数値と血中に含まれる糖や脂肪の状態、またウイルス感染の有無やホルモンの分泌状況などを調べていきます。
一方、画像検査では超音波・CT・MRIなどを使って肝臓を撮影し、写っている肝臓の大きさや様子から、肝臓の状態を診ていきます。
特に、血液検査におけるALTの数値は重視され、基準値となる80をどのくらい超過しているかをチェックし、脂肪肝の発症・進行具合を確かめるのに用いられます。
問診・血液検査・画像検査で、脂肪肝である可能性が高いと考えられる場合は、非アルコール性脂肪肝(NASH)の確定診断のために肝臓の組織を調べる肝生検を行います。
肝生検を行うには、1~2泊の入院が必要になることが多いです。
非アルコール性脂肪肝炎(NASH)を治療するには、今ある肝臓の脂肪を燃焼させて減らし、これ以上肝臓に脂肪が増えないようにする必要があります。
このため基本的には、日々の生活を変えて運動療法で肝臓に蓄えられた脂肪を燃焼して減らし、食事療法で脂肪の蓄積を防いでいくしかありません。
以下に、非アルコール性脂肪肝(NASH)の治療に効果的な運動療法・食事療法のポイントをそれぞれご紹介しますので、参考にしてください。
上記の運動・食事療法を実践すれば、非アルコール性脂肪肝(NASH)はもちろん、その原因である肥満や生活習慣病の改善効果も得られるでしょう。
なお、生活習慣の改善だけで十分な効果が得られない場合は、抗酸化作用のあるビタミンEや糖尿病薬による投薬治療が行われるケースもあります。
どのような治療法をとるかは、担当医の判断によっても変わってきますので、詳しくは医師に相談してください。
非アルコール性脂肪肝炎(NASH)は、お酒によるダメージではなく、肥満や生活習慣病が原因で発症する脂肪肝です。このため、一滴もお酒を飲まない人でも発症する可能性があります。非アルコール性脂肪肝炎(NASH)治療法は、運動療法や食事療法で生活習慣の改善を減量を行い、肝臓に蓄積された脂肪を減らすことが基本となります。この記事を参考に、根気よく治療を続けていきましょう。
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