肝生検ってどんなことをする検査なの?気になるリスクや痛みも解説!

2018/10/22

山本 康博 先生

記事監修医師

東京大学医学部卒 呼吸器内科医

山本 康博 先生

肝臓病の検査などで実施されることのある「肝生検」。この肝生検とは、具体的にどんなことを行っていく検査なのでしょうか。気になる痛みや起こり得る合併症の可能性など、詳しく解説していきます。

肝生検とは

肝生検とは、肝臓の組織の一部を採取して顕微鏡などで観察をする検査です。肝生検をすることによって肝組織の構造や、肝損傷の具合について組織学的な情報を得ることができるため、さまざまな肝臓の疾患の原因や病態の把握・診断に用いられます。また、肝移植後に肝臓に拒絶反応が出たりしていないかどうかを調べるためにも行います。

経皮的針生検で肝生検を受ける場合は、検査自体は20分前後で終了しますが、その後安静にする時間等もあるため全体として4~6時間ほどの時間を要します。

肝生検は後述する検査方法によって、入院や全身麻酔をする必要があります。そのため、検査前には血液検査やX線(レントゲン)の検査など手術前に行われる一般検査を受ける必要があります。また、検査時間などによっては食事の時間を制限されることもあります。

肝生検の具体的な方法は?

肝生検には局所麻酔で針生検のみを行う経皮的針生検と、全身麻酔をかけた状態で腹腔鏡下を用いて観察し、楔状生検を行う腹腔鏡下肝生検、カテーテルを頸静脈に挿入して肝組織を採取する経頸静脈的肝生検に大別されます。

経皮的肝生検では、皮膚と肝臓の表面に局所麻酔を行い、超音波検査装置で肝臓の場所を確認しながら肝臓に専用の生検針を刺して、組織の一部を採取します。

腹腔鏡下肝生検は全身麻酔を行った後、腹部に穴をあけて腹腔鏡を挿入し、腹腔鏡で肝臓の表面を観察しながら、その一部を止血しながら採取します。

経頸静脈的肝生検はカテーテルを頸静脈に挿入し、心臓の内部を通して、肝臓から出る肝静脈の1つに到達させ静脈の壁越しに針を肝臓に挿入して肝組織を採取します。重度の肝疾患の合併症による血液凝固異常がある方ではこの方法が勧められます。

肝生検にリスクはないの?

肝生検を受けるにあたり、合併症についても知っておく必要があります。

経皮的肝生検は比較的安全な検査であるとされているものの、局所麻酔に伴う副作用(過敏性反応)として血圧低下、意識混濁、痙攣等を起こすことがあります。
検査後では出血を起こす可能性があり、特に検査後15日間は出血を起こす可能性が高いとされています。他にも発熱、右上腹痛や右上腹部痛が派生したことによる右肩の痛み、一過性の肝機能障害、気胸などのリスクがあります。

腹腔鏡下肝生検では、腹腔鏡を挿入するために皮膚に穴をあけることから、創部のトラブル、気胸、麻酔による合併症のリスクがあります。

経頸静脈的肝生検は95%の確率で成功するといわれていますが、麻酔による合併症や、0.2%ほどの確率で肝被膜の穿刺部からの出血が起こるケースもあります。

肝生検って痛いって聞いたけど…?

肝生検時は、針を刺した際に身体の奥のあたりに圧迫されたような鈍痛を感じる可能性があります。しかし、検査の前に麻酔をかけるため、麻酔薬を注射針で刺すときの痛み以外を感じずに検査が終わることも少なくありません

なお、腹腔鏡下肝生検を受けるという方は、傷が他の検査方法よりも大きく皮膚表面に作ってしまうため、痛みがさらに感じやすくなることがあります。

検査前には痛み止めを使用することが多いのですが、検査後に針を刺した部分など痛みを感じる場合には、痛み止めを医師から処方してもらうことができます。
ただ、強い痛みが身体の奥の方でずっと続いているという場合には、穿刺に伴う胆汁の漏れ、胆管炎、他の臓器の損傷など重篤な状態になっている可能性も否定できません。
そのため、痛みは我慢せずに医師や看護師に必ず伝えるようにすると良いでしょう。

おわりに:肝生検の方法によって痛みやリスクは異なる

肝臓の組織の一部を採取し、顕微鏡などで観察をする検査である肝生検。肝生検には局所麻酔で針生検のみを行う経皮的針生検、全身麻酔をかけた状態で腹腔鏡下を用いて観察し、楔状生検を行う腹腔鏡下肝生検、カテーテルを頸静脈に挿入して肝組織を採取する経頸静脈的肝生検があり、それぞれで検査時間も検査後の合併症も異なります。針を刺して肝臓の細胞を採取するため痛みはどの検査方法でも見られる可能性があるものの、痛みが重篤な合併症を引き起こしている可能性もあります。異変を感じたらすぐに主治医へ報告するようにしましょう。

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