体の筋肉の「横紋筋」と「平滑筋」。それぞれの特徴は?

2018/10/15

山本 康博 先生

記事監修医師

東京大学医学部卒 呼吸器内科医

山本 康博 先生

人の体を構成する「筋肉」には、おおまかに分けて「横紋筋」と「平滑筋」の2種類があります。今回はそれぞれの違いや特徴について、わかりやすく解説していきます。

横紋筋と平滑筋って何が違うの?

体の筋肉には、横縞模様のある「横紋筋」と、横縞がない「平滑筋」の2種類があります。

横紋筋には、姿勢を保ち体を動かしている「骨格筋」と、心臓の壁でもあり心臓の収縮を担っている「心筋」があり、心筋は心臓以外の場所には存在しません。これらは特に速さや力強さが必要となる筋肉です。一般的に筋肉と呼ばれているものは骨格筋で、運動神経が支配している自分の意志で動かすことのできる「随意筋」です。

一方の平滑筋は、内臓や血管の壁にあり、緊張を保ったり収縮によって内臓や血管の働きを維持しています。平滑筋は、自律神経が支配している自分の意志では動かすことのできない「不随意筋」です。心臓を構成する心筋も横紋筋のひとつではありますが、平滑筋と同様の不随意筋です。

横紋筋ってどんな筋肉?

横紋筋は、筋線維の内部に2種のフィラメント(タンパク質の分子でできた長い繊維状のもの)が交互に規則正しく配列することで特有の縞模様をつくっています。この繰り返しの構造によりすばやく強い力を発揮することができ、身体動作にはすべて横紋筋が関与しています。

横紋筋のひとつである骨格筋は、意識的に脳から筋肉に神経刺激を伝達し直接コントロールできるため、力強くすばやい動きや細やかで繊細な動きなどさまざまな動きを行うことができ、さらに弛緩や収縮を繰り返しても元の形に戻っていくといった特徴があります。

一方、横紋筋のひとつでありながら不随意筋である心筋は、心臓が起きている間も寝ている間も酸素を乗せた血液を強い力で送り出し、隅々にまで行き渡らせて循環させられるようにする働きを担っています。生命維持にもっとも重要ともいえるこの役割には、強い力をすばやく発揮するという横紋筋の特徴と同時に、無意識にでも規則正しい動きを行う不随意筋であることが必要になります。

平滑筋ってどんな筋肉?

平滑筋は、フィラメントが不規則に配列しているため、横紋構造がみられず表面がなめらかに見える筋肉です。平滑筋には、不随意系の神経信号によって刺激され内臓器官を動かすため、ゆっくりリズミカルな収縮を行うといった特徴があります。横紋筋と比べて伸び縮みしやすいといった特性を持ちながら、心臓以外の内臓を動かしています。

たとえば、胃や腸などのぜん動運動を行って食べ物を消化器官に沿って下方に動かしていったり、胃の中のものを押し上げて吐かせたり、流体を体内で循環させその排泄物を体外へ排出するといった役割を担っているほか、子宮内部を収縮させて胎児を出産させたり、血管を広げたり狭めたりするといった働きをするのも平滑筋です。

おわりに:筋肉の種類によって、特性や作用は大きく異なる

体の筋肉「横紋筋」と「平滑筋」、それぞれの特徴や違いについてお伝えしてきました。一言で「筋肉」といっても、どの筋肉かによって働きは大きく違うということが、おわかりいただけたかと思います。

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