記事監修医師
工藤内科 副院長 工藤孝文先生のスマホ診療できるダイエット外来
工藤 孝文 先生
血糖値が高めな人は食生活の改善が重要とよくいいますが、この血糖コントロールに効果的とされるのが、近年話題の「低GI食品」です。GIと血糖値との関連性も含め、わかりやすく解説していきます。
GIとは、グリセミック・インデックス(Glycemic Index)の略語で、炭水化物を含む食品を食べた後に起こる血糖値の上昇の程度に従って、各食品に与えられた指数です。食品が体内で糖に変換され、血糖値が上昇するスピードを示す数値であり、数値が高ければ高いほど血糖値が急上昇しやすく、逆に低ければ低いほど食後の血糖値の上昇がゆるやかということを示します。
食前の血糖値は正常値でも、食後1~2時間の血糖値が高い「食後高血糖」の状態だと、心筋梗塞や脳梗塞を発症するリスクが上がるといわれています。
私たちが食べ物を摂取し、血糖値が上昇すると、すい臓から「インスリン」というホルモンが分泌されます。このインスリンは血糖値を下げる作用があるのですが、脂肪の合成を促進する効果もあるため、急激な血糖値の上昇に伴いインスリンが過剰分泌されると、脂肪が溜まりやすくなるとされています。そうして血液中の脂肪が増えると、やがて血管が硬く狭くなり動脈硬化の状態になることで、上述の心筋梗塞や脳梗塞を引き起こしやすくなってしまうのです。
食後高血糖の改善のために重要なのは食事内容の改善と運動ですが、食事では「低GI食品」をうまく取り入れることがカギとなります。
低GI食品とは、GI値が55以下の食品のことです。そばや玄米、全粒粉パン、こんにゃく、きのこ類、葉もの野菜、牛乳、ヨーグルトなどがこれに該当します。
ただ、低GI食品であっても過剰に摂取するとエネルギーの摂りすぎになってしまい、血糖コントロールの妨げになります。食事の際はGI値だけでなく、1食あたりのエネルギー(kcal)にも注意するようにしてください。
また、基本的にGI値は、ほかの食品と食べたり調理したりすることで低くすることができます。白米などの高GI食品を食べる際は、食物繊維の多いおかずと食べる、牛乳を一緒に飲む、お酢を使う調理法で食べるなど、工夫をしてみることも大切です。
食後の血糖値が急激に高くなる状態が慢性的に続くと、動脈硬化を引き起こし、脳梗塞や心筋梗塞など命にかかわる疾患のリスクが高まります。食事の際は食品のカロリーとGI値に注目して献立を組み立て、うまく血糖コントロールを続けていきましょう。
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