肝臓の数値からどんなことがわかる?数値を下げるために何ができる?

2018/10/19

山本 康博 先生

記事監修医師

東京大学医学部卒 呼吸器内科医

山本 康博 先生

健康診断の結果表にある「AST」「ALT」といった数値は肝臓の機能を示す指標になりますが、この数値から具体的にどんなことがわかるのでしょうか。各数値の意味や正常値、また数値を安定させるために気をつけたいことなど、解説していきます。

健康診断でわかる肝臓の数値って何を表すの?

健康診断で結果表を渡されても、一体何の数値を表しているのかわかりにくいものです。とくに、肝臓関係の数値は種類が多いため、ひとつひとつの意味をしっかり把握している人はなかなかいないかもしれません。しかし、不調を早く発見するきっかけにもなるので、ここで挙げる代表的な数値の意味はできるだけ覚えておきましょう。

AST(GOT)

GOTとも表されるASTは、心臓・肝臓・腎臓・筋肉をはじめとする、多くの臓器に含まれている酵素です。そのため、血液中にこの酵素が増えすぎているときは、ASTを含む臓器の細胞が破壊されている可能性があります。正常値の範囲は8~38で、8未満であっても特に心配はありません。

ALT(GPT)

GPTとも表されるALTは、AST(GOT)と同様の酵素ですが、ASTよりは心臓に含まれない酵素です。正常値は4~43の範囲です。

γ(ガンマ)-GTP

γ-GTPは、胆管で作られる酵素で、アルコールなどを解毒するはたらきに深くかかわっています。正常値の範囲は男性が86以下、女性が46以下となっており、アルコールへの反応が敏感なため、アルコール性の肝臓障害を知る指標となる酵素です。

ALP

ALPは胆管でつくられる酵素で、ほとんどの臓器や骨に含まれています。肝臓、胆管、十二指腸、骨などを経て胆汁中に排出されますが、同じ酵素でもどこの臓器にあるALPかによってタンパク質の構造が異なります。そのため、ALP値に異常があったときはこれを精査することで、どこの組織に異常があるのか分析することが可能です。この酵素の値は、354以下が正常、355~400が軽度の上昇、400以上は病気の疑いが濃厚になります。

総ビリルビン

総ビリルビンは、寿命を迎えた赤血球中のヘモグロビンの分解産物です。さらに肝臓で分解され、やがて胆汁として排泄されます。皮膚が黄色になる黄疸という状態がありますが、これはビリルビンが血液中に増加しすぎたことを示しています。1.2以下が正常、1.3から5.0が軽度の異常、それ以上だと精密検査が必要です。

数値が高いとどんな影響がある?低い場合は?

もしも、正常の範囲よりも数値が高く出た場合、どんな影響があるかをそれぞれの数値でご紹介します。

AST(GOT)

ASTの値が39以上になると、アルコール性肝炎、脂肪肝、肝硬変、心筋梗塞などの可能性がでてくるため、医師の指導を受けることになるでしょう。値が高くなればなるほど、緊急性の高い病気の可能性があるので注意が必要です。

ALT(GPT)

ASTより心臓に含まれない酵素のため、ここで異常値が出た場合は、肝臓の疾患である可能性がより高くなります。高ければ高いほど危険です。

γ(ガンマ)-GTP

正常値を超えるときは、アルコールを解毒するはたらきや、そのはたらきの異常による上昇、または肝臓の細胞破壊、胆管の詰まりなどの可能性が出てきます。

ALP

値が高ければ高いほど、病気の疑いが濃厚になります。肝障害や胆道結石などの胆道の病気、骨肉腫などの骨の病気、潰瘍性大腸炎などの腸の病気が疑われるでしょう。

総ビリルビン

総ビリルビンは、値が低すぎる場合は小球性低色素性貧血、高すぎる場合は黄疸、肝炎、肝硬変などが疑われます。

肝臓の数値を下げるには、どんなことに気をつければいい?

肝臓の数値に異常があった場合、正常から少し外れる程度であれば、生活習慣を見直すことで改善できる可能性もあります。たとえばAST(GOT)とALT(GPT)が高い場合、アルコール、肥満、サプリメント・薬の影響、ウイルス性肝炎などが疑われるでしょう。そのときは、アルコールの摂取を控えたり、肥満を解消するためのダイエットや適切な運動をしたり、サプリメントの服用に頼らない、バランスのいい食事を心がけたりするなどの生活改善が必要になるかもしれません。
γ(ガンマ)-GTPの値を改善したい場合も、同様の生活改善を行うとよいでしょう。

おわりに:肝臓関連の数値を落ち着かせるには、まず生活の改善から

肝臓のはたらきに関連する酵素の値を見ることで、肝臓、または関連する臓器の異常に気付くことができます。代表的なのは、AST(GOT)・ALT(GPT)、γ(ガンマ)-GTPなどの酵素の値です。肝臓関連ということで、アルコールの過剰摂取を控えること、または肥満にならないための運動や、食生活の見直しなどで数値を改善できる場合があります。

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