記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
2018/11/2
記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
寝起きに足がつった、という経験をしたことはありませんか?以降では寝起きに足をつりやすい理由や、予防するための対策について紹介していきます。
「足がつる」とは、何らかの原因で自分の意志とは関係なく足の筋肉が突然けいれんを起こして痛み、収縮したまま硬直し元に戻らなくなる状態です。そのメカニズムはまだよくわかってはいませんが、病気などの直接的な原因がなければ、筋肉や神経の動きを調整しているミネラルのバランスが加齢や疲労、栄養不足、発汗や脱水症状などによりで崩れることで起こるのではないかと推測されています。
運動中と夜間、明け方は、足がつりやすい時間帯です。運動中の場合は筋肉疲労や発汗、水泳での水中での足の冷えなどが、夜間の睡眠中は、加齢にともなう筋肉量の減少や筋肉疲労の蓄積、動脈硬化による血行不良、さらに睡眠時の発汗によるミネラルの消費や冷えによる血流の低下などが重なって、足のつりが起こりやすくなります。特に明け方や寝起きに足がつりやすいのは、明け方に気温が下がって体が冷えることも原因のひとつと考えられています。
運動中に足がつる場合には、運動前後にしっかりとストレッチをすることが大切です。運動していない人は「適度な運動」として、足の筋肉量を維持し血流をよくして疲労回復にもなるスクワット(屈伸)を行うと良いでしょう。また、1日の終わりにふくらはぎを下から上に軽く揉む「フットケア」を行うと効果的です。
「バランスの良い食事と水分補給」も大切です。マグネシウムなどのミネラルや水分の不足は足をつる引き金となります。筋肉の動きに関係する、乳製品や小魚類に多く含まれるカルシウムや大豆食品などに多く含まれるマグネシウムのほか、ワカメ、かぼちゃ、アーモンド、玄米などに多く含まれるビタミンEにも、足のつりの予防効果があるといわれています。
睡眠中の予防には、「冷えを改善」することが大切です。寝る前にお風呂に入って体を温めるたり、湯たんぽや腹巻を利用するのも良いでしょう。
病気が原因で足がつる症状があらわれることもあります。たとえば、喉の渇きや手足のしびれなどをともなう「糖尿病」、歩行障害をともなう「脊柱管狭窄症」「閉塞性動脈硬化症」、腰痛をともなう「椎間板ヘルニア」、むくみをともなう「腎疾患」、片方の手足のまひや言葉のもつれなどをともなう「脳梗塞」などが知られています。
足がつったとしても、ほとんどのケースは一過性でストレッチとマッサージ程度で治りますが、起こる回数が多く生活に支障が出るようであれば、こうした重大な病気が隠れていないかチェックする必要があります。思い当ることがあれば、早目に医療機関に受診しましょう。
足がつるのは、筋肉や神経の動きを調整しているミネラルのバランスが、加齢や疲労、栄養不足、発汗や脱水症状、冷えなどによって崩れることが原因と考えられています。食事の改善や水分補給、適度な運動、冷えの解消を心がけましょう。ただし生活に支障が出るほど頻繁に起こるようであれば、重大な病気が隠れている可能性があるので、早目に医療機関に受診しましょう。
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