生活習慣病は悪化する前に改善を!理由や方法を紹介

2018/11/2

山本 康博 先生

記事監修医師

MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長
東京大学医学部卒 医学博士
日本呼吸器学会認定呼吸器専門医
日本内科学会認定総合内科専門医
人間ドック学会認定医
難病指定医
Member of American College of Physicians

山本 康博 先生

生活習慣病の予防・治療や生活習慣改善の重要性はよくいわれることですが、そもそもなぜ生活習慣病を改善しなくてはならないのでしょうか?その理由や、生活習慣病を早期治療するのに必要な心がけについて、解説していきます。

冷凍宅配食の「ナッシュ」
冷凍宅配食の「ナッシュ」

生活習慣病は、悪化する前に改善したほうがいい理由は?

生活習慣病は1996年以前までは「成人病」と呼ばれていましたが、子供時代からの体に良くない生活習慣によって、成人病が引き起こされることが分かったため、厚生労働省が成人病を「生活習慣病」と改称しました。

生活習慣病の種類

  1. 糖尿病
  2. 脂質異常症
  3. 高血圧症
  4. 肥満
  5. 脳卒中
  6. 心臓病 など

高血圧症や糖尿病、脂質異常症などを放置すると、動脈硬化が進み、循環器病や重度の合併症を引き起こす場合があります。また、65歳以上の人が要介護状態になる原因も、生活習慣病が多いのが現状です。そのため、生活習慣病は初期症状の段階で改善した方が良く、予防が重要視されているのです。

生活習慣病を改善するなら、食事の見直しから始めよう!

生活習慣病を改善するためには、高脂血症、高血圧、糖尿病、肥満などの原因となる食生活を改善する「食事療法」が有効です。塩分・カロリー・コレステロールに気をつけて、常にバランスのよい食事を心がけましょう。

バランスのよい食事とは、「体に必要な3大栄養」と呼ばれる「たんぱく質」「炭水化物」「脂質」に加え、「ビタミン」や「ミネラル」などの栄養素が過不足無く補給できる食事のことです。
近年は食事の欧米化にともなって脂質過多になっています。1日30品目を目標として、偏らないようになるべく多彩な食品を食べるようしましょう。丼ぶり物だけ食べるのではなく、主食、主菜、副菜を組み合わせたメニューを取り入れましょう。

「栄養バランスといわれても難しい。どうやってメニューを決めればいいかわからない」といった場合は、医師や栄養士などに相談すると教えてもらえます。お酒の適量も人によって違いますので、医師に相談して自分の適量を把握するようにしてください。

運動を取り入れるのも、生活習慣病の改善におすすめ!

生活習慣病を改善するためには、食生活の改善と共に、運動療法を行うと効果的です。その人に合った運動を行うことで、以下のように症状の改善が見られたケースが数多く見受けられます。
ただし、持病がある人は運動が制限される場合もありますので、必ず医師と相談しながら運動してください。

運動療法による改善例

  • 糖尿病の改善
  • 血圧の低下
  • 肥満の改善
  • 脂質異常症の改善
  • ストレス解消 など

適度な運動を習慣化することは心臓病や動脈硬化の予防にもなりますので、まとまった時間が取れなくても、少しずつでよいので毎日の取り組むように意識してみてください。

日常のなかで効果的に運動する方法

  • 買い物や通勤などの際に車などを使わずに歩く
  • 歩くときに意識的に歩幅を大きくしたり、早歩きをする
  • 1日の始まりや終わり、仕事や家事の合間に、筋トレやストレッチを実施する
  • 洗濯や掃除といった家事を行う時、大きく体を動かしながら行う
  • 仲間や家族とスポーツを楽しむ など

例えば掃除の際に、あえて雑巾で拭き掃除をしたり、洗濯物をわざと高い位置に干したりして、自然と体を動かすようにすると、自然と運動量が増えていきます。
また、運動は気分転換にもなるので、心の健康維持にもつながります。持病がある人も、医師に相談して了解が得られたら、少しずつ運動に取り組むようにしましょう。

おわりに:日々の心がけで生活習慣病の早期改善を

生活習慣病は予防や早期改善が重要です。そのためにもバランスの良い食事や適度な運動を心がけてください。体に良い食事をとり、楽しく運動しながら生活習慣病を予防すれば、健やかな生活を維持できる確率が上がります。「毎日ほとんど動いてない」という人も、意識して積極的な活動時間を毎日10分間ほど増やすと良いでしょう。

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