筋肉をつけたいなら、炭水化物も摂ったほうがいいって本当?

2018/11/5

山本 康博 先生

記事監修医師

東大医学部卒、独立行政法人国立病院機構東京医療センター

山本 康博 先生

健康維持やシェイプアップを目指すとき、トレーニングで筋力アップに挑戦することもあるでしょう。ところが期待したほどの結果がでなくて悩んでいる人はいませんか? その理由は食事内容にあるのかもしれません。特に炭水化物の摂取はトレーニング成功の鍵となりうるのです。

筋肉をつけたいなら炭水化物が必要なのはどうして?

トレーニングの運動量や時間によって、筋肉にかかる負荷は異なります。負荷が大きく運動強度が高くなるほど、体が必要とする炭水化物は増えます。運動中に起きる体の反応と炭水化物の働きの例を紹介します。

炭水化物の3つの働き

エネルギー源になる
炭水化物は体を動かしたり脳を使うときのエネルギー源です。摂取された炭水化物は、グリコーゲンとして筋肉に貯蔵されます。炭水化物を十分に摂らない状態で筋トレをしたら、十分な力を発揮できません。ある程度運動強度の高い筋トレを効率的に行うには、炭水化物は不可欠です。
筋肉の発達を助ける
筋肉の材料となる栄養素がたんぱく質です。すい臓から分泌されるホルモンのインスリンは、たんぱく質が筋肉まで届くようにしています。炭水化物が不足しているとインスリンの分泌量が上がりません。
筋肉の分解を防ぐ
炭水化物が少なくエネルギーが足りない状態だと、体内に貯蔵されたたんぱく質が分解されてエネルギーとして代用されます。すると筋肉量が低下してしまいます。つまり炭水化物の不足は筋肉量を減らす可能性があるのです。

筋肉をつけたいなら、どのくらい炭水化物を食べればいいの?

トレーニングは鍛えたい筋肉や目的によってさまざまな種類があります。炭水化物もまた、筋トレの内容などによって一日に必要な摂取量が変わります。

鍛えたい筋肉ごとの炭水化物摂取量(g/一日)

無酸素運動で筋力・瞬発力を鍛える場合

  • 4~6g × 体重(kg)
  • 体重が60kgなら、240~360g

有酸素運動で持久力を鍛える場合

  • 7~10g × 体重(kg)
  • 体重が60kgなら、420~600g

※お茶碗一杯分の白米(160g)には、炭水化物が約59g含まれています。食品に含まれる栄養成分を表記した本やウェブサイトなどを活用して摂取量を調節しましょう。

注意したいのが、炭水化物はカロリーも多く含むことです。目的に応じてカロリー調整をすると効果を得やすくなります。

カロリーの摂り方

筋肉量アップを目指すなら、カロリー摂取量>カロリー消費量
シェイプアップしたいなら、カロリー摂取量<カロリー消費量

炭水化物を食べるタイミングは?

炭水化物を食べるタイミングもまた、筋トレの効果を最大限に引き出す重要なポイントです。炭水化物のほかに補給したい栄養素としてたんぱく質とアミノ酸があります。炭水化物と一緒に摂取することで体内への吸収率が上がると考えられています。

補給したい栄養素

  • エネルギー源となる炭水化物
  • 筋肉アップには欠かせないたんぱく質
  • 筋肉の分解を抑えるアミノ酸
トレーニング前
筋トレ開始の約3時間前に炭水化物を摂取しておくと、十分なエネルギー補給になりトレーニングの質が向上します。空腹のまま運動することは避け、食事時間の確保が難しいときはゼリー飲料などの手軽な方法で炭水化物を補ってください。
トレーニング中
筋トレ中に栄養素を摂取するなら、サプリメントやスポーツドリンクがおすすめです。筋トレ中の食品の摂取は消化不良を起こすことがあるので注意してください。運動強度が低いまたは運動時間が短い場合は、筋トレ中の炭水化物はそれほど必要ありません。補給するときは少量を少しずつ摂取します。
トレーニング後
筋肉回復のための栄養素が必要です。筋トレ後2時間以内には、エネルギー回復の炭水化物、筋肉の材料となるたんぱく質やアミノ酸を摂りましょう。

おわりに:体づくりの基礎に炭水化物は欠かせません。目的に応じて適量摂取!

炭水化物はそれ自体が体を動かすエネルギーになるほか、筋肉の発達もサポートしています。トレーニングの前後には、炭水化物の補給が必須。目的や自分の体格に合わせて摂取量を調整し、筋トレの効果を上げていきましょう。

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