メタボと肥満ってどう違うの? 体脂肪率が何%だとキケン?

2018/11/16

山本 康博 先生

記事監修医師

MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長
東京大学医学部卒 医学博士
日本呼吸器学会認定呼吸器専門医
日本内科学会認定総合内科専門医
人間ドック学会認定医
難病指定医
Member of American College of Physicians

山本 康博 先生

「メタボ=肥満の人、太っている人」と思っている方は非常に多いようですが、実はメタボと肥満は異なる状態を指します。今回は両者の違いや、体脂肪率が何%以上の人が該当するのかなどをわかりやすく解説します。

メタボと肥満は違う!?

まず肥満とは、体に必要以上の脂肪が蓄積されている状態のことです。BMI(body mass index)が25以上の人は肥満と判定されます。

  • BMI=体重(kg)÷(身長(m)×身長(m))

肥満は体にとって良くない状態ではありますが、それだけでは病気には該当しません。しかし、肥満に伴い糖尿病や脂肪肝、高血圧などの病気が起きている場合は、病的な肥満である「肥満症」という病気に該当します。実際、肥満の人はこれらの病気を併せ持っていることが多いので、たいていは肥満症の患者になります。

一方、メタボ(メタボリックシンドローム)とは肥満症の一種です。「内臓脂肪症候群」とも呼ばれ、内臓肥満に加え、高血圧、脂質異常症、高血糖のうち2つ以上に該当していれば、メタボと診断されます。具体的な基準は以下のとおりです。

  • 腹囲(へその高さで測った場合):男性85cm以上、女性90cm以上
  • 血圧:上が130mmHg以上かつ(または)下が85mmHg以上
  • 血清脂質:中性脂肪150mg/dL以上かつ(または)HDLコレステロール40mg/dL未満
  • 空腹時血糖:110mg/dL以上

つまり、BMIが25未満だったとしても、腹囲が大きく内臓脂肪型肥満があれば、メタボの可能性があるということです。「隠れ肥満」とも呼ばれます。
なお、肥満症は病気ですが、メタボは必ずしも病気というわけではなく、「病気の予備軍」という意味合いが強い状態になります。

体脂肪率が何%だと肥満やメタボ?

先述のとおり、メタボには腹囲、血圧、血清脂質、血糖値の数値をもとに診断されるため、体脂肪率をベースにはしません。一方の肥満もBMIが基準となりますが、体脂肪率をもとに判断することもできます。詳しくは、下記のとおりです。

軽度肥満 中等度肥満 重度肥満
男性 体脂肪率20%以上 25%以上 30%以上
女性(15歳以上) 体脂肪率30%以上 35%以上 40%以上

この体脂肪率は、家庭用の体組成計や体脂肪計で簡単に測定可能です。

おわりに:「メタボ=肥満」ではない。体重・BMI以外の数値にも注目を

BMIが25未満の「肥満ではない」人であっても、腹囲や血圧、血糖値などによってはメタボに該当する可能性はあります。このように肥満とメタボは基準が異なるものなので、体重やBMIだけに注意を払うのではなく、体脂肪率や腹囲などの他の数値にも気をかけ、基礎代謝・食事・冷えなどの改善を目指し、生活習慣を見直すことも大切です。

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