記事監修医師
川崎たにぐち皮膚科、院長
手の乾燥が気になる季節になってきました。ただ、薬局でハンドクリームを選ぼうとしても、種類が多すぎて違いがわからず、困ってしまった経験はありませんか?そこで今回は、乾燥肌の人のハンドクリーム選びのポイントをお伝えしていきます。
薬局などではたくさんのハンドクリームが売られていますが、ハンドクリームは大まかに「保湿系」「ビタミン系」「尿素系」の3種類に分類することができます。
本来、皮膚は毛穴から分泌される皮脂によって水分が逃げにくいようになっていて、皮脂が皮膚を守ってくれますが、手のひらや足の裏には毛穴がないため皮脂が分泌されず、特に手のひらは乾燥に敏感で、乾燥によるダメージを受けやすくなっています。特に水仕事では皮膚の保湿成分が流れ出し、湿度の低下も加わって皮膚が乾燥すると皮膚は本来の働き・ターンオーバーができなくなります。
保湿をしたり、乾燥によって失ってしまった皮膚本来の機能を補助したりと、手の症状に合わせ、これらの中で適したハンドクリームを選ぶことが大切です。
コラーゲン、セラミド、ヒアルロン酸などの保湿成分が配合されたハンドクリーム。手に水分や油分を補給しつつ、手から潤いが逃げないよう保護してくれます。カサカサと乾燥していたり、粉をふいているときなど、比較的軽度の手荒れにおすすめのタイプです。市販のものでいうと、ニベアなどがこれに該当します。
ビタミンAやB、C、Eなどが配合されたハンドクリーム。ビタミンの作用が血行を良くしてくれるため、冷えにも効果を発揮します。ビタミンAは乾燥によって乱れてしまった皮膚のターンオーバーを修復する働きがあります。ひびやあかぎれなどの中度の手荒れにおすすめです。
尿素が配合されたハンドクリーム。尿素自体に水分を保つ効果がありますが、肘や膝、踵などの皮膚が硬く角化している場所で使うと、角質を溶解する作用があります。
皮膚は乾燥すると正常なターンオーバーができなくなり、本来剥がれるはずの角層が剥がれずに硬く厚く角化してごわつきとなってしまいます。そういった硬くなった場所には尿素系ハンドクリームがおすすめですが、あかぎれなど傷の箇所に使うと、沁みて刺激になり症状がひどくなる恐れがあります。市販のものでいうと、ケラチナミンなどがこれに該当します。
ハンドクリームは正しい塗り方をすると、さらに効果を高めることができます。以下の手順に従って、丁寧に塗っていきましょう。
一言でハンドクリームとはいっても、その種類や効能はさまざま。ご自身の手の症状に合わせ、適したハンドクリームをつけることが大切です。また、チャチャッと適当に塗るのではなく、少し時間をかけて塗ることでも、さらにケア効果を高めることができます。乾燥肌の方はぜひ実践してみてください。
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