記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
2018/11/16
記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
年齢を重ねてくるとその分、消化器に異常が起こる可能性も高くなってきます。
特に、大腸がんの罹患率が高いとされる日本人には、内視鏡などを使った大腸の精密検査を定期的に受けることが推奨されています。
今回は、大腸検査の方法の1つである「大腸CT検査」について、その手法や具体的な検査の流れ、検査前後の注意点などを解説していきます。
大腸CT検査は、特殊なガスを肛門から注入して大腸を膨張させ、CT装置でスライスするように大腸を撮影する検査方法です。
比較的新しい検査方法であり、大腸がんや大腸ポリープの発見に非常に効果的とされます。
従来は主流であった内視鏡検査などと比較した場合、大腸CTで検査するメリット・デメリットとしては、以下が挙げられます。
ここからは、大腸CT検査を受けるときの流れを具体的にご紹介していきます。
検査予定日の2日前から、大腸を撮影に適した状態にするため以下の前処置を行います。
医師の指示に従って、寝る前に便の排出を促す軽い下剤を服用します。
朝食・昼食・夕食のすべてを、病院が用意した検査食を食べ、さらに毎食後に少量の大腸CT 用造影剤を経口摂取します。
また、前日同様に寝る前には下剤の処方もされますので、服用します。
検査着に着替えてCT装置のベッドに横になったら、鎮静作用のある坐剤を入れてから直径1cmほどのチューブを10cmほどの深さまで肛門に挿入し、ガスを注入していきます。
ガスは一定の圧力で1.5~3Lほど注入され、大腸に充満されたところで仰向けとうつ伏せ、2つの姿勢でそれぞれ約10秒ずつCT撮影を行います。
撮影が終わったら肛門のチューブを抜いて、検査は終了です。
当日の検査所要時間は10分程度、終了後ガスが体に吸収されるのに10分程度かかります。
なお、以下のような人は大腸CT検査を受けられません。
前処置で服用する造影剤と下剤には便を混ざりやすい特性があるため、撮影までにすべての便が排出されていなくても、ポリープと便を区別することが可能です。
多少便秘気味でも、検査前日まで前処置が可能で、検査当日までに1回以上便が排出されているようであれば、大腸CT検査は受けられます。
ただし、検査当日までに1度も便が出なかった場合は、検査ができない可能性もあります。この場合は、速やかに医師に報告・相談してください。
大腸CT検査は身体への負担が少ないですが、生活において注意が必要な点もあります。
以下に、大腸CT検査直後の生活について知っておくべきポイントをまとめました。
腸内への挿入が直径1cmほどの管と炭酸ガスのみで、外部からの画像撮影で検査できる大腸CT検査は、内視鏡検査に比べて負担の少ない検査方法です。検査を受けるには2日前からの前処置が必要になりますが、この前処置も下剤や造影剤の服用と食事管理・排便のみで、負担は大きくありません。また、便秘がちな人でも受けられる可能性が高いので、内視鏡検査が怖い人は、大腸CT検査を使えないか医師に相談してみましょう。
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