記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
2018/11/29
記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
脂質異常症は目立った自覚症状はないにもかかわらず、重大な合併症を引き起こすことのある病気です。こちらではこの脂質異常症の危険性や、診断されたら食生活においてどのようなことに気を付けたらよいのか、食べると良い食材も一緒に紹介していきますので参考にしてみてください。
脂質異常症とは、血液中のコレステロールや中性脂肪などの脂肪分が、多すぎたり少なすぎたりしている状態のことをいいます。
以前は高脂血症とも呼ばれており、血液中に余分な脂肪分が増えると血液がドロドロになって動脈硬化を起こしやすくなります。すると心筋梗塞や脳卒中などのリスクも高まり、特に血管に強い圧力がかかっている高血圧の人が脂質異常症を併発すると、血管の内側が傷つきやすくなるため、動脈硬化がさらに進行する可能性があります。
脂質異常症に自覚症状はほとんどないため、発見が遅れて、ある日突然心筋梗塞などで倒れてしまうことも珍しくはありません。
脂質異常症になると心臓や脳につながる大きな血管に合併症があらわれることが多く、狭心症や心筋梗塞では胸の圧迫感や胸の痛みが特徴的です。脳梗塞では、手足の麻痺やろれつがまわらなかったり、意識がなくなったりするような脳の障害が症状としてあらわれることもあります。また、中性脂肪が高いと急性膵炎を起こすこともあり、激しい腹痛や吐き気、下痢などの症状があらわれます。
脂質異常症の原因は明らかではありませんが、脂肪分の多い食事とアルコールが関係していると考えられています。放置していても改善することはありませんので、定期的に健康診断を受け、異常があった場合には早めに医療機関を受診して、医師の指示に従いましょう。
脂質異常症は、悪玉(LDL)コレステロールと中性脂肪(トリグリセライド)が基準値より高く、善玉(HDL)コレステロールの基準値が低い状態です。そこで脂質異常症と診断された場合には、食生活においてLDLコレステロールや中性脂肪を増やしてしまう食品を避ける必要があります。
とくにアルコールには注意が必要です。アルコールは高エネルギーであるうえに、酔って食事療法が守れなくなる可能性が高まります。
おつまみにも揚げ物など脂質異常症の原因となりうる食べ物が多いので、アルコールの摂取はきちんとコントロールするようにしましょう。
脂質異常症の改善には、普段の食生活から見直すと大変効果的です。おすすめの食材には以下のようなものがあげられます。
大豆製品は畑の肉と呼ばれるほど、良質なたんぱく質を豊富に含んでいます。
大豆に含まれるたんぱく質にはLDLコレステロールを減らす働きがあり、大豆イソフラボンには中性脂肪を減らす働きがあります。1食につき納豆1パック、豆腐・厚揚げ3分の1丁、大豆水煮50g、豆乳コップ1杯が摂取目安量です。
魚は、オメガ3脂肪酸のDHA(ドコサヘキサエン酸)やEPA(エイコサペタエン酸)を多く含んでいます。
これらはLDLコレステロールや中性脂肪を減らす働きがあり、あじやいわし、さばやさんまなどの青魚、かつおやまぐろなどの赤身魚、魚のかまの部分に多く含まれています。1食当たりの目安量は80gです。
食物繊維を多く含む食材は、体内のコレステロールの吸収を抑え、排泄を促します。
緑黄色野菜にはカロテンやビタミンC、ビタミンEなどの抗酸化作用成分が含まれているので、LDLコレステロールの酸化を抑えてくれます。
これらのような低カロリーの食材は食べても肥満になりにくく、満腹感を与えてくれるので食べ過ぎを防ぐこともできます。
自覚症状のない脂質異常症は、重篤な合併症を起こして初めて気づくことも少なくありません。定期的に健康診断を受け、異常を早めに発見できるように努めましょう。
また、乱れた食生活は脂質異常症の大きな原因です。脂質異常症と診断される前に、バランスのよい食生活に徐々にシフトしていくようにしましょう。
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