記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
2018/11/30
記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
食道と気管は、どちらものど・首から、胸にかけて通っている管状の臓器です。
同じような場所・かたちをしている2つの臓器ですが、機能や仕組みにはどんな違いがあるのでしょうか。
今回は食道と気管の仕組みや働き、その違いについてご説明していきます。
食道は口から入ってきた食べ物を、胃に運ぶための臓器です。
個人差もありますが、平均的な長さは約25cm、直径は約2~3cmで、内側から粘膜・粘膜下層・固有筋層・外膜の4層からできています。食道は胃や腸につながる消化器官の一部ですが、食べ物を消化する機能は持っていません。
25cmある食道のうち、のどから首にかけてを頸部食道、肋骨のあたりを通過している部分を胸部食道、胃のすぐ上の部分を腹部食道と呼びます。
一方、気管はのど・首から左右に分かれ、胸にある肺につながっている臓器です。
鼻や口から取り込んだ空気を、肺のなかに運ぶための管状の器官であり、長さは平均で10~11cmくらいといわれています。
細長い構造になっていて、左右に分かれて2つの肺に侵入した先ではさらに細かく枝分かれして気管支となり、肺胞1つ1つに空気を届けています。
ここまでに述べてきたように、食道の役割は「食べ物を口から胃に運ぶこと」であり、気管の役割は「空気を鼻や口・肺と行き来させること」です。
食道は、食べ物が入ってくると筋肉の蠕動運動と粘膜の力を使って、スムーズに胃に食べ物を運んでいきます。
気管は、吸い込んだ空気を肺まで運びます。肺胞の毛細血管で酸素は取り込まれ、逆に二酸化炭素が吐き出されます。この交換された空気を今度は鼻・口の方へ戻して吐き出します。
このとき、空気に混入しているごみなどを内部の粘液で吸着して、痰として排出するのも気管の大切な役割となります。
なお食道と気管は、口から何かを取り入れて体の内部に運ぶという役割で共通していることから、喉頭(こうとう)という器官で仕切られてほぼ同じ位置に存在しています。
2つの器官は入り口部分でつながっており、食事をするときには喉頭蓋(こうとうがい)と呼ばれるフタで気管を防ぐことで、飲食物の誤飲や窒息と防いでいるのです。
食道と気管は、喉頭という器官で仕切られるかたちで、のどから首にかけてのほぼ同じ位置に並列して存在しています。口や鼻に入ってくるものによって、瞬時の判断で喉頭蓋を動かして食道には食べ物を、気管には空気が入っていく仕組みになっているのです。また、気管の方が細長く、固形物を運ぶ食道の方が太くなっているのも大きな違いです。このように、食道と気管の働きや構造には大きな違いがあります。
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