脾臓の位置はどのあたり?悪くなると痛くなるのはどのへん?

2018/11/30

山本 康博 先生

記事監修医師

MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長
東京大学医学部卒 医学博士
日本呼吸器学会認定呼吸器専門医
日本内科学会認定総合内科専門医
人間ドック学会認定医
難病指定医
Member of American College of Physicians

山本 康博 先生

胃腸や心臓などと違って普段働きをあまり実感することのない、脾臓(ひぞう)。
今回は、脾臓の位置や働き、病気になったときに痛みを感じる場所について解説します。

冷凍宅配食の「ナッシュ」
冷凍宅配食の「ナッシュ」

脾臓の位置はどこ?

脾臓は左側肋骨のすぐ下あたり、左上腹部に位置しています。
握りこぶしくらいの大きさをしていて、スポンジのような構造の柔らかい臓器です。

脾臓は、白脾髄(はくひずい)と赤脾髄(せきひずい)という2種類の組織から成り、心臓から血液が流入する非動脈、肝臓へとつながる脾静脈という血管が通っています。
周囲にはリンパ管も通っていて、血管とリンパ管を支える膜で覆われているのも特徴です。

脾臓が悪くなるとどのあたりが痛くなるの?

脾臓に細菌感染による炎症や、貧血、がん化などの病変が起きたときには、脾臓が腫れてしまう脾腫(ひしゅ)を発症してしまうことがあります。
脾腫の状態になると、脾臓のある左上腹部に痛みが出てくる他、脾臓の腫れが進むにつれて背中の左側や左肩にまで、痛みの範囲が広がってくることもあり得ます。

また痛みとあわせて、脾腫には以下のような症状が付随することもあります。

  • 背中や左上腹部の膨満感、圧迫される感覚
  • 少ししか食べていない、または何も食べていないのに満腹と感じる
  • 息苦しさや、呼吸困難を感じる  など

なお、脾腫が進んでいくと脾臓に十分な血液が供給されなくなり、壊死が始まります。
左上腹部だけでなく、左側の背中や肩まで痛みが広がり、胃や肺にまで圧迫感が生じている場合は、脾腫がかなり悪化していると予測されます。
早めに病院に行って、医師による診断・治療を受けるようにしてください。

おわりに:脾臓があるのは左側の肋骨下。痛くなるのも左上腹部あたり

脾臓は体の左側、肋骨のすぐ下あたりの「左上腹部」と呼ばれるところにあります。心臓からの太い動脈から血液を受け取り、静脈から肝臓へと血液を送る、握りこぶし大でスポンジ状の柔らかい臓器です。このため、何らかの理由で脾臓が腫れる脾腫状態に陥ったときも、痛みが出るのは左上腹部を中心に、左背部や左側など、体の左側に集中します。脾臓に異常が起きたときにすぐ対処できるように、覚えておきましょう。

関連記事

この記事に含まれるキーワード

脾臓の位置(1) 左上腹部(2) 背中の左側(1)