記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
2018/12/18
記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
口から入ってきた食べ物を、胃腸など消化器官へ送る重要な役割を持つ食道。
人間が食べ物を味わい、栄養を摂取するために欠かせない器官ですが、他の臓器と同様にがんになって治療が必要になるケースもあります。
今回は食道がんの治療について、手術で治療できない場合と、手術以外の食道がんの治療法とその副作用をご紹介していきます。
食道がんを手術で治療するのは、基本的には、がん細胞や食道そのものの摘出によって食道がんの大幅な改善や、転移の予防が見込める場合のみです。
このため、見つかった段階で以下のような状態にまで進行してしまっている食道がんに対しては、手術による治療ができないことがあります。
上記のような、見つかった段階で手術治療が困難と判断される食道がんの場合は、手術以外の治療方法を考え、積極的に選択していくことになります。
手術以外で食道がんを治療する場合、考えられる治療法としては投薬して治療する「化学療法」と、放射線を使った「放射線療法」の2つがあります。
以下に、化学療法と放射線療法それぞれの治療法や、これらの治療法によって起こり得る副作用についてまとめて解説します。
なお、それに加えて近年では免疫療法も適応が広がってきていますが、別の記事でご紹介いたします。
「薬物療法」「抗がん剤治療」とも呼ばれるがんの治療法が、化学療法です。
がん細胞を小さくする効果が期待できる細胞障害性抗がん剤と呼ばれる薬を、単独または複数組み合わせて、主に点滴で全身に投与します。
食道がんの化学療法で使われる薬の具体例としては、フルオロウラシル・シスプラチン・ネダプラチン・ドセタキセル・パクリタキセルなどが挙げられます。
食道がんの場合は、以下のようなケースの治療法として積極的に用いられます。
化学療法で食道がんを治療する場合、起こり得る副作用としては以下があります。
がんの消失を目的とした根治照射と、がんの症状を抑えるための緩和照射の2つの方法があり、いずれも一定の期間継続的な放射線照射が行われる治療方法です。
特に、根治照射はがんの転移・浸潤が小範囲にとどまっている場合に、緩和照射はがんの転移・浸潤が広範囲に広がって痛みなどが出ている場合に、それぞれ用いられています。
いずれの照射方法を用いるかは、患者の状態や希望、医師の判断によっても異なりますが、食道がんへの放射線治療は以下のようケースで積極的に選択されています。
放射線療法で食道がんを治療する場合、起こり得る副作用としては以下があります。
浸潤が広範囲にわたっていたり、すでに他の臓器やリンパ節への転移も確認される食道がんの治療には、手術以外の治療法が積極的に選択されます。手術以外の食道がんの治療法としては、抗がん剤を全身的に投与する化学療法と、患部を中心に放射線を照射する放射線療法の2種類があります。手術以外にどの治療法を積極的に行うべきかの判断は、患者の状態・希望や医師の判断によって異なります。詳しくは主治医に相談のうえ、治療法を決定してください。
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