中性脂肪の数値はアルコール摂取量と関係あるの?

2018/12/17

山本 康博 先生

記事監修医師

東京大学医学部卒 呼吸器内科医

山本 康博 先生

健康診断で「中性脂肪の数値が高め」と指摘される人は、少なくありません。中性脂肪は肝臓で生成され、皮下脂肪や肝臓などへの内臓脂肪として体に蓄積されるものですが、どうすれば数値を下げられるのでしょうか。今回は中性脂肪の数値をアルコール摂取量の関係について、解説していきます。

中性脂肪とアルコールの関係は?

食事で摂った糖質や脂質は小腸から吸収され、使わずに余った分は中性脂肪として、肝臓や皮下、血中に分散して貯蔵されます。

本来、生命の維持と脳・体を動かすためのエネルギーにはブドウ糖が主に使われますが、一時的な飢餓や栄養不良に陥った場合には、中性脂肪もエネルギー源となります。中性脂肪は、安定して食事や栄養が取れなかった場合の非常時に備えて、体が備蓄する予備エネルギーとしての役割を果たしているのです。

また、中性脂肪の数値はアルコール摂取によって高くなる、という性質を持っています。これは肝臓でアルコールを分解するときに、中性脂肪の合成を促す作用が起こるためと考えられています。このように、アルコール摂取と中性脂肪の数値には、相関関係があるのです。

休肝日を作れば、中性脂肪の数値は下がる?

アルコールの摂取と中性脂肪の数値上昇に相関関係があることがわかりましたが、休肝日を設けたからと言って、必ずしも中性脂肪の数値が下がるわけではありません。たとえば、週に1日まったく飲酒しない休肝日を設けた場合、飲まなかったその1日は中性脂肪の数値が下がるでしょうが、他の日に飲みすぎていては意味がないのです。

中性脂肪は、1日ではなく長いスパンで見たアルコールの総摂取量を減らすことが重要です。中性脂肪の数値を上げないようにしつつ、アルコールの摂取も続けたいなら、休肝日を設けるとともに毎日のアルコール摂取量を抑えることが欠かせないのです。

中性脂肪を上げない、アルコール摂取量の適量は?

中性脂肪を上げずにアルコールも摂取したい場合、1日あたりの適量とされる飲酒量を守って、アルコールを摂取する必要があります。

以下に、1日にいずれか1種類を摂取する場合の適切な飲酒量をお酒の種類ごとにまとめていますので、飲酒量調整の参考にしてみてください。

  • ビール…500ml(中瓶1本分)
  • チューハイ…500ml(缶でおよそ1.5本分)
  • ワイン…240ml(グラスにしておよそ2杯分)
  • 焼酎…35度くらいのもので90ml(グラスにしておよそ2/3杯分、1/2合)
  • 日本酒…180ml(グラスにして1杯と少し、1合)
  • ウイスキー…90ml(シングルショットでおよそ2~3杯弱)

ただし、中性脂肪の数値上昇には食事や間食から摂る糖分・脂肪分やカロリーも影響します。上記はあくまで目安と考え、飲酒するときは1日の摂取カロリーが200kcal程度になるように、食事やおつまみの量や内容も工夫してください。

おわりに:中性脂肪の数値を毎日のアルコール摂取量には、関係がある!

中性脂肪は、摂取して使いきれなかった糖分や脂質を、皮下や肝臓などの内臓や血中に貯蔵した非常用エネルギーです。人体の生命維持に必要ですが、たまり過ぎると肥満や脂肪肝など病気の原因ともなります。また、肝臓でのアルコール分解時に中性脂肪の合成が促進される作用があるため、日々のアルコール摂取を適量に留めることで数値を下げられます。この記事を参考に、1日あたりの飲酒量が適量になるようにして中性脂肪値をコントロールしましょう。

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