直腸診でどんな病気が見つかることがあるの?検査中の痛みは?

2019/1/5

山本 康博 先生

記事監修医師

東京大学医学部卒 呼吸器内科医

山本 康博 先生

直腸診とは、肛門から医師が直接指を入れて内壁にしこりや痛みを感じてしまうところがないかを確認する検査です。この記事では、直腸診でわかる病気や、異常がみられたときにさらにどんな検査を受ける必要があるかなどを紹介します。

直腸診ってどんな検査なの?

直腸は大腸の一部です。大腸のうち肛門に近くにある、約20cmぐらいの部分のことをいいます。直腸診は、肛門から医師が直接指を入れて直腸の内側を触り、内壁の盛り上がりの有無や硬さ、触ったときの痛みがあるかどうかなど、異常の有無を確認をする検査です。直腸内触診、直腸指診といわれることもあります。

検査は、手袋の上に専用のゼリー剤を用いて、痛みが起こらないように行われます。比較的簡単で、短時間(1〜2分程度)で行うことができるため、病気を特定するために行われる検査です。直腸診で何らかの異常が疑われ、より詳しく調べる必要がある場合は、CTや内視鏡を用いた検査などを行っていくことになるでしょう。

直腸診でどんな病気がわかるの?

直腸診は、直腸の粘膜のポリープ、直腸がんや、肛門周辺の痔の診察で用いられます。また、直腸内の病変以外にも周辺の臓器の異常を探るためにも用いられます。

男性では前立腺の異常の有無を確認することもあります。前立腺は男性だけにある臓器で、膀胱の下にあります。部分的に直腸に接しているため、直腸診で触れることができます。直腸診では前立腺がんや、前立腺肥大といった前立腺の病気の可能性がないかを探ります。

一方、女性では、骨盤内にある子宮や卵巣の病変の可能性を探るために行われることがあります。直腸診で、子宮の後ろ側の異常や卵巣の腫れなどを確認します。

ただし、直腸診で確認できるのは、医師の指が届く範囲に限られます。大人の人差し指の長さを考えると、肛門から5cm程度の距離になると思います。この距離では、ほんの一部の範囲の異常しかわかりません。また、ポリープのように、粘膜が盛り上がっていれば触って異常があると判断できますが、大腸内の病変には平らなものもあります。直腸診では、粘膜が平らなままのものは判断できませんから、より詳しく調べるためには他の検査も行うことになるでしょう。

直腸診って痛くないの?

直腸診の検査は、診察台の上で患者が横向きの姿勢で行うことが多いですが、目的の臓器を触診するために、あお向けの姿勢で行うこともあります。直腸診では、摩擦(まさつ)が起こりにくいよう手袋の上から専用のゼリーを用います。

どんな検査でも、検査場面では患者としては緊張をすることも多いものですが、直腸診のときに緊張すると、肛門に力が入ってしまいます。肛門に力が入ることでかえって痛みが生じることがあるため、リラックスすることが大切です。肛門は通常は筋肉がしまっていますが、息を吐く、排便するようにいきむといった方法で緊張が緩めば、痛みもなくすぐ終わらせることができるでしょう。

直腸診で異常が見つかったら?

直腸診で何らかの異常が見つかったら、本当に異常なのかどうかを詳しく調べるために精密検査を行うこともあります。どのような検査があるかを挙げていきます。

下部消化器内視鏡検査

下部消化器内視鏡検査は、いわゆる大腸カメラのことです。肛門から内視鏡カメラを挿入して、大腸の内側を画面に映し出して視覚的に状態を確認します。ポリープを切除する仕組みも備わっているため、検査の途中でポリープを切除するということもあります。また、組織を採取して、顕微鏡で細胞を検査する病理検査を行うこともあります。

便潜血検査

便潜血検査は、便の中に血液成分が混ざっていないかどうかを確認する検査で、一般的には40歳以上の人に対して会社や自治体の健康診断に組み込まれています。通常、2日分の便を採取して検査を行います。直腸診の後に受けるというよりは、事前に受けたり、直腸診と併用して行われたりする検査です。

CTやMRI

CTはX線を用いた検査ですが、お腹の周りを立体的に撮影することができる検査です。MRIはX線は用いず、磁気を用いた検査です。こちらも、お腹の周りを立体的に撮影することができる検査です。CTやMRIは、大腸以外の臓器を確認したい場合にも用いられます。

注腸造影検査

胃カメラの際に飲むバリウムを肛門から注入し、レントゲンで撮影して大腸の形を確認する検査です。

上記のほか、前立腺や、婦人科系疾患など疑われる疾患によっても、行われる検査は異なります。

おわりに:病気の早期発見のために、直腸検査は定期的に受けよう

直腸診は、医師が肛門の中を触ることで、直腸やその周辺の臓器に異常がないかを確認する検査です。比較的簡単にできる検査で、リラックスして受ければ痛みもなく数分で終了します。ただし、直腸は大腸のほんの一部です。病気について詳しく調べていくためには、便潜血検査のほか、下部消化器内視鏡検査などの詳しい検査が必要となることもあります。気後れする検査だと思いますが、病気の早期発見のためにも定期的に受けるようにしましょう。

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