中性脂肪が低すぎるのも体には良くないって本当?

2018/12/13

山本 康博 先生

記事監修医師

東京大学医学部卒 呼吸器内科医

山本 康博 先生

皮下や肝臓に溜まっていき、増えすぎると肥満や脂肪肝の原因となる中性脂肪。
減らした方が良く、健康に害を与えるものというイメージの強い中性脂肪ですが、体に必要なので少なすぎても問題になることをご存知でしょうか。
今回は中性脂肪の数値が低すぎる場合について、問題点や改善方法などを解説します。

中性脂肪が低すぎるのも問題って本当?

体にどのくらいの中性脂肪が蓄積されているかは、血液中に含まれる中性脂肪値を測ることで確認できます。正常な血中中性脂肪値は空腹時で30~149mg/dlで、150 mg/dlを超えると高すぎで、脂質異常症診断の基準ともなってきます。

一方、30mg/dlを下回るのも低すぎとして問題視されます。中性脂肪は、いざというときの予備エネルギーとして蓄積されているため、あまりにも少ないと以下のような体調不良を引き起こす原因となるのです。

中性脂肪の数値が低すぎることで体に現れる悪影響

  • 脳への栄養も足りなくなり、常にぼーっとしたり眠気や疲労感が出るようになる
  • 脂肪に貯蔵される特性を持つ脂溶性ビタミンを溜められなくなり、不足する
  • 免疫力が低下し、感染症や目や口・舌・消化器など粘膜の炎症が起きやすくなる
  • 骨の成長や代謝が阻害され、背が伸びなくなったり骨がもろくなる
  • 出血しやすく、また出血が止まりにくくなる
  • 血管が老化しやすくなるため、血管の内側が硬くなり動脈硬化がすすむ

中性脂肪の数値が低くなるのはどうして?

血中の中性脂肪の数値が下がりすぎてしまう原因として、以下の5つが考えられます。

  1. ダイエットで極端な脂質・糖質制限や食事制限などをしている
  2. アスリート並みの激しい運動により、蓄えていた中性脂肪を消費してしまう
  3. 何らかの肝臓疾患によって、中性脂肪が合成・貯蓄できなくなっている
  4. 甲状腺機能亢進症により、新陳代謝が異常に活発化して中性脂肪を消費してしまう
  5. 体質や遺伝など、先天的な要因によるもの

上記のうち1つだけ当てはまっている場合もあれば、複数の要因が絡み合って血中の中性脂肪の数値が極端に低くなっている場合もあります。

低すぎる中性脂肪の数値を改善するには?

低くなりすぎた血中の中性脂肪の数値を正常な範囲にまで高めて体調不良を改善するには、食事の内容と習慣を改めるのが効果的です。低すぎる中性脂肪の数値を指摘された場合は、以下を参考に食事の習慣を変えていってくださいね。

  • 食事は1日3食、できるだけ決まった時間に規則正しく食べる
  • エネルギーに変換されやすい米、パン、麺類、イモ類などの炭水化物を多めに食べる
  • ぼーっとした感じが解消されたら、炭水化物とタンパク質・脂質を含む肉類や魚類、大豆製品などもバランスよく食べるよう食生活を変える
  • 毎日の食事をメモやアプリで記録し、量や内容を適切にコントロールできるようにする

原因にかかわらず、中性脂肪の数値が低すぎるのは栄養不足だということです。医師の指導のもとしっかり食べて、栄養不足を解消できるよう努力していきましょう。

おわりに:中性脂肪の数値が低すぎても、体に異常が出てしまう!

血中数値が150mg/dl以上だと皮下や肝臓に溜まりすぎて、肥満や生活習慣病の原因となる中性脂肪ですが、本来は体に必要な予備エネルギーです。このため、基準値である30mg/dlを下回るほど少なくなってしまうとさまざまな体調不良を引き起こします。異常な中性脂肪の低下は体質や病気などのほか、過度なダイエットや運動でも起こります。発症しているときは栄養が不足しているので、食事の内容と習慣を変えて治療していきましょう。

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