心臓カテーテル治療って治療後のリスクはないの?治療の流れは?

2019/1/22

山本 康博 先生

記事監修医師

東京大学医学部卒 呼吸器内科医

山本 康博 先生

心筋梗塞を起こした際などに実施される「心臓カテーテル治療」。この心臓カテーテル治療とは、どんな治療法なのでしょうか。治療後のリスクや治療の流れなどを解説していきます。

心臓のカテーテル治療を行う目的は?

心臓カテーテル治療とは、心臓カテーテル検査を応用した治療方法です。
狭心症や心筋梗塞など、心臓の血管が詰まったり、狭くなったりすることで起きる疾患に対する治療法のひとつであり、風船やステントを使って狭窄を来たした冠動脈を広げて血流を改善させることを目的としています。

心臓のカテーテル治療にはいくつかの種類がありますが、主に風船治療とステント治療があります。

風船治療とは

狭くなった冠動脈へ、先端にバルーンと呼ばれる風船をつけた極細のカテーテル(バルーンカテーテル)を入れ、この風船を血管内でふくらませます。そうすることで狭くなっている冠動脈を大きく広げて血流の再開通を図ります。風船治療の場合、30~40%程度の割合で再狭窄が見られることが特徴です。

ステント治療とは

一方、ステント治療とは風船治療を応用した治療法で、ステンレスなどの金属でできた小さい網目模様の筒を風船で膨らませた部分に挿入します。ステントを使って広げることでステントが支えとなって固定されるので、しっかりと広げることができます。そのため再狭窄を起こす割合も20%前後と低くなります。

その他の治療

新しいカテーテル治療として、「薬物溶出性ステント」というステントに薬液を染み込ませたものを挿入して再狭窄の割合をさらに下げる方法や、ロータブレーター、方向性アテレクトミー、血栓吸引療法などといった方法もあります。

心臓カテーテル治療の流れは?

心臓カテーテル治療を行う前には、動脈を穿刺するため治療前の数日間から、それまで飲んでいたお薬、特に抗不整脈薬や抗凝固剤の内服を中止します。また、治療前日には穿刺部に毛などがある場合、それを剃る剃毛という処置を行います。

検査室に到着したら清潔な布で体を覆い、検査台の上にあお向けになります。カテーテル挿入部位に細い注射針で痛み止めの局所麻酔をします。局所麻酔が効いてきたら太い針を刺し、カテーテルを安全に挿入するためのガイドワイヤーやシースを挿入します。次にカテーテルを挿入し目的とする狭窄部にガイドワイヤーを通過させ、バルーンで拡張、その後ステントと呼ばれる金属の筒を留置します。治療は1~2時間程度で終了します。

検査終了後はカテーテルを入れた穴からの出血を止めます。通常は医師の手で圧迫して止めますが、クローザー、アンギオシール、バゾシールなどで止める方法もあります。

その後は、止血のための器具をつけたまま病棟へ戻りそのまま安静にします。安静にする時間は穿刺部位によって異なりますがだいたい2~6時間となります。その間は排せつもベッド上となります。

治療後の合併症やリスクは?

心臓カテーテル検査後に起こりうる合併症には、穿刺部からの再出血、房室ブロック、血栓塞栓症、心タンポナーデ、再狭窄などがあります。また、治療の前にカテーテル検査を行い造影剤を注入している場合には造影剤に伴うアレルギー反応が起こる可能性もあります。

これらの合併症が起こる可能性は非常に低いとされているものの、病状や既往歴などによって左右されます。また、合併症が起こるリスクを回避するためにあらかじめ、お薬を内服することもあります。

おわりに: 治療について理解した上で自分に合った治療を

風船治療、ステント治療、そのほかにも薬物溶出性ステント、ロータブレーター、方向性アテレクトミー、血栓吸引療法など、さまざまな種類に分けられる心臓カテーテル治療。治療後は穿刺した動脈によって安静時間が異なることが特徴です。また、非常に安全な治療法とされているものの合併症が起こるリスクもあるため、合併症を理解し、自分に合った方法で治療を受けるようにしましょう。

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