中性脂肪を下げる効果がある「EPA」は、サプリより魚で摂るべき?

2018/12/26

山本 康博 先生

記事監修医師

東京大学医学部卒 呼吸器内科医

山本 康博 先生

一般的に「魚を食べると身体に良い」といわれる根拠として、魚に含まれるEPAに中性脂肪を下げたり、血流を良くする働きがあることが挙げられています。
この記事では、EPAがどのような栄養成分なのか、また体のために摂取する場合、サプリメントよりも魚や食品から摂った方が良いのかどうかについて、解説していきます。

中性脂肪を下げるサプリに入ってる「EPA」ってどんなもの?

まずはEPAという栄養素について、魚の栄養素を摂取できるサプリメントに一緒に含まれていることの多いDHAとの違いと合わせて、ご紹介していきます。

まず、EPA・DHAのどちらも「オメガ3系硬度不飽和脂肪酸」に分類される栄養素です。似た化学的構造を持ち、魚に多く含まれていて、同じような効能を持っています。

EPAとDHAに共通する健康効果の例として、以下が挙げられます。

EPA・DHAに共通するオメガ3系硬度不飽和脂肪酸の効能
  • 心臓、または心血管の硬化、狭窄、詰まりの発症リスクを下げる効果
  • 血液中の中性脂肪やコレステロールの排出を促し、血中の値を減らす効果
  • 関節リウマチの症状の緩和

一方、EPAとDHAで異なる健康効果として、以下が挙げられます。

EPA特有の健康効果
  • 体内でプロスタグランジンに変化し、血液が凝固しにくくする
  • 血液をサラサラにし、全身的な血流を良くする抗血栓効果
  • 血中の中性脂肪値を減らす
DHA特有の健康効果
  • 脳や網膜など、神経系組織の発育や機能維持

同じような栄養成分と認識されがちなEPAとDHAですが、それぞれの効能には上記のような違いがあるため、中性脂肪を減らしたいならEPAの積極摂取が効果的といえます。

EPAはサプリより食品で摂ったほうがいい?

EPAは、食事とサプリメントのどちらから摂取しても構いません。中性脂肪を減らす目的でEPAを摂取する場合、摂取方法よりも、いかに毎日継続して適量を摂り続けられるかという点が重要なためです。食事で摂るにしても、サプリを利用するにしても、毎日続けて摂取するようにしましょう。

なお、食事からEPAを毎日摂取する場合は、マグロやカツオといった脂がのった赤身魚を中心にした食事を、1日1食以上取り入れるのがおすすめです。ただ、魚に含まれるEPAの量は魚の種類や部位、収穫時期などで変動します。毎日同じ量を摂り続けるには、魚に含まれるEPA含有量を考慮しながら食べる必要があります。

100gあたりのEPA含有量の目安

  • くろまぐろの赤身…2mg
  • くろまぐろの脂身…1400mg
  • みなみまぐろの赤身…2mg
  • みなみまぐろの脂身…1300mg
  • 初かつお…24mg
  • 戻りかつお…400mg
  • さば…500mg
  • さんま…890mg
  • いわし…1200mg
  • あじ…230mg

このため、毎日考えて魚を食べることが面倒なら、サプリメントの服用で手軽にEPA摂取を続けることをおすすめします。

サプリでEPAをたくさん補給すれば、中性脂肪もすぐ下がる?

サプリメントや食事でEPAをたくさん摂取しても、すぐに中性脂肪が下がるわけではありません。

EPAは、成人男性なら1日あたり2.0~2.4g以内、成人女性なら1日に1.6~2.0g以内の量を毎日摂り続けることで、はじめて効果を実感できるようになります。

ただし、EPAを1日3g以上摂取すると、手術や歯科治療などで出血したときに血が止まりにくくなることがあります。また、病気治療のために医師から血流を改善する薬を処方されている場合、食事やサプリメントでEPAを摂取すると肝機能障害が現れるケースも報告されています。EPAを1日にたくさん摂ったからといって、急激な中性脂肪値の低下・変化があるわけではないことを覚えておきましょう。

おわりに:中性脂肪を下げるためのEPA摂取は、魚からでもサプリメントからでもOK

食事から摂取してもサプリメントから摂取しても、EPAが体にもたらす効果・効能が変わることはありません。このため中性脂肪を下げる目的でEPAを摂取する場合は、個々の好みや利便性にあわせて、自由に摂取方法を選択すれば良いでしょう。ただし、EPAの効能を得るには適量を毎日継続的に摂取し続ける必要があります。一度に大量摂取しても副作用のリスクが上がるだけで、早く効能を得られるわけではないので注意しましょう。

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