記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
2018/12/28
記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
心臓の病気のサインとしてよく知られるのが胸の痛みですが、心臓がチクチクと痛むときもやはり心臓の病気の可能性が高いのでしょうか。それとも、別の病気の可能性もあるのでしょうか。
心臓の病気には、虚血性心疾患や弁膜症、不整脈などがあります。虚血性心疾患は心臓に血液が足りなくなって起こる病気で、狭心症や心筋梗塞を指します。加齢だけではなく、高血圧や飲酒、動脈硬化などの生活習慣病が要因となって、心臓に栄養や酸素を与えている血管(冠動脈)が細くなったり詰まったりして起こり、命に関わることもあります。
弁膜症は、心臓の中の血流が逆流しないようにするための弁(べん)に異常が起こる病気です。不整脈は、心臓のリズムがゆっくりになったり、速くなったり、あるいは不規則になったりする状態をいいます。不整脈には色々なタイプがあり、病的ではないものもあります。さらに、心臓の病気や、ストレスや過労など様々な原因で心臓に負担がかかり、心臓の働きが不十分となることを心不全といいます。
心臓の疾患の自覚症状としてまず挙げられるものに「胸痛(きょうつう)」があります。胸が圧迫されたり、しめ付けられたりしているような痛みが典型的な症状です。また、ずっしりと重さを感じたり、のどや胸の違和感程度ということもあります。
たとえ痛みがあっても、胸がチクチク、キリキリと痛むような場合は心臓の病気とは限らず、肋骨(ろっこつ)付近の筋肉や、骨、脂肪などに広がっている神経の痛みである可能性があります。ただし、痛みについては感じ方や表現の方法も人それぞれです。また、高齢者や糖尿病の持病がある人は、たとえ心臓に異常があっても痛みがない場合があるため注意が必要です。
胸がぎゅっとしめつけられたり、圧迫されている、抑えられているという痛みがあり、さらに胸だけではなく、肩や背中にまで広がるときは、心臓の病気が疑われます。重篤な場合でなければ、胸の痛みは数分から10分程度と比較的短時間でおさまります。
詳しいことはわかっていませんが、胸の痛みは就寝中(特に明け方)に起こることが多いです。また、階段の上り下りといった運動で痛みがあらわれ、休憩すると楽になるといったことも特徴として挙げられます。
心臓の病気が心配される症状は、痛みに加えて次のようなものが挙げられます。
心臓というと、胸の左側だけが痛むと思われがちですが、実際には肩や背中といった広範囲にも影響があらわれます。また、胸やのどの違和感など、心臓が原因と思われないものもあるため、注意が必要です。
チクチクした胸の痛みは心臓が原因とは限りませんが、心臓に原因がないとも言い切れません。医療機関では問診で症状の内容を聞き取りながら必要に応じて以下のような検査を行い、心臓に異常がないかどうかを確認することになるでしょう。
胸のあたりに痛みがあると、心臓の病気が心配になるものです。一般的には、心臓に異常がある際の痛みは、胸が圧迫されたりしめつけられたりといった感覚があり、肩や背中と広範囲に渡るといわれます。一方、チクチクとした局所的な痛みは、肋骨(ろっこつ)の周辺に広がる神経の痛みが疑われます。
しかし、痛みといっても感じ方は人それぞれで、全く痛みがないという人もいます。症状が気になる人や、健診などでしばらく心電図検査を受けたことがないという人は、医療機関を受診してみましょう。
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