マイコプラズマ肺炎はうつる病気?症状や治療法は?

2019/1/29

山本 康博 先生

記事監修医師

東京大学医学部卒 呼吸器内科医

山本 康博 先生

マイコプラズマ肺炎は「マイコプラズマ・ニューモニア」という細菌に感染すると発症する病気です。この記事では、マイコプラズマ肺炎に感染する原因や症状、治療法を解説します。

マイコプラズマ肺炎とは

マイコプラズマ肺炎とは、「マイコプラズマ・ニューモニア」という細菌に感染して発症する呼吸器感染症です。定型的な細菌性肺炎と違って重症感が少なく、レントゲンによる画像も異なることが特徴です。

幼児期、学童期、青年期の感染が最も多く、患者の約80%がこの年代にあたります。特に、7、8歳が感染のピークであるとも言われています。マイコプラズマ肺炎は1年を通じてみられますが、特に冬の間にやや増加する傾向がみられます。

マイコプラズマ肺炎はうつる病気?

マイコプラズマ肺炎の感染経路として、飛沫感染(患者の咳やくしゃみなどのしぶきに含まれる病原体から感染する)と、接触感染(病原体が付着した手で口や鼻に触れることで感染する)がありますが、それに加えて濃厚接触が必要と考えられています。

感染拡大は、通常、閉鎖した集団などでみられますが、学校など、短時間の暴露で感染が拡大する可能性は高くありません。しかし、友人間などで濃厚に接触した場合に感染する確率は非常に高くなるため、濃厚接触が感染のカギともいえます。

感染後、どんな症状が出てくるの?

マイコプラズマの潜伏期間は2~3週間と比較的長いことが特徴です。初期症状は発熱、全身倦怠、頭痛などで、咳は初期症状がみられてから3~5日から始まることが多いです。

始めは乾いた咳が出ますが、時間の経過に伴い咳が強くなっていき、解熱後も3~4週間ほど咳が続くことが特徴です。特に、年長児や青年においては、後期には湿った咳に変わることが多くなります。鼻炎の症状もマイコプラズマ肺炎では典型的な症状ではないものの、幼児ではより頻繁にみられます。約25%の割合で嗄声、耳痛、咽頭痛、消化器症状、胸痛がみられ、6~17%程の割合で皮疹が出現することもあります。

また、喘息のような気管支炎がみられることも比較的多く、急性期には約40%の割合で喘鳴が認められます。さらに3年後に肺機能を評価したところ、対照に比して有意に低下していたという報告もあることから、マイコプラズマ肺炎は肺機能を低下させる可能性も示唆されています。また、症状は小児の方が軽く済むともいわれています。

マイコプラズマ肺炎を治すには

マイコプラズマ肺炎の治療は、抗生物質の服用が基本です。しかし、マイコプラズマ肺炎の原因菌であるマイコプラズマ・ニューモニアは他の細菌と異なり、細胞壁を持たないという特徴があるため、ペニシリン系、セフェム系などの細胞壁合成阻害の作用を持つ抗生物質には効果がありません。そのため、マクロライド系やテトラサイクリン系、ニューキノロン系薬剤を用いて治療が行われます。

一般的には、マクロライド系のエリスロマイシン、クラリスロマイシンなどが治療薬の第一選択となりますが、学童期以降ではテトラサイクリン系のミノサイクリンも使用されます。

しかし、2000年頃からマイコプラズマ感染症の治療で使われるマクロライド系の抗生物質が効かないマイコプラズマ肺炎(マクロライド耐性マイコプラズマ肺炎)、いわゆる耐性菌と呼ばれる菌が増えてきているとされています。もし、上記の抗生物質で治療をしても効果がない場合や、耐性菌に感染したということがわかった場合、他の抗生物質での治療が必要なこともあります。薬を飲んでも症状が改善しない場合は、早めに医師に相談しましょう。

マイコプラズマ肺炎は軽症ですむ場合がほとんどですが、重症化してしまった場合には、1カ月ほど入院して専門的な治療が必要になる場合があります。

おわりに:マイコプラズマ肺炎と思われる症状ある場合にはすぐに病院へ

マイコプラズマ肺炎はマイコプラズマ・ニューモニアという菌に感染することで発症する呼吸器感染症です。潜伏期間は2~3週間と長いことが特徴で、感染経路は接触感染と飛沫感染ですが、特に患者と濃厚接触をすると感染しやすくなります。マイコプラズマ肺炎と思われる症状がみられる場合は、早めに医療機関を受診するようにしましょう。

※抗菌薬のうち、細菌や真菌などの生物から作られるものを「抗生物質」といいます。 抗菌薬には純粋に化学的に作られるものも含まれていますが、一般的には抗菌薬と抗生物質はほぼ同義として使用されることが多いため、この記事では抗生物質と表記を統一しています。

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