記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
2019/1/30
記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
食欲がわかないと、どうしても食べる量が少なくなります。食べる量が少なくなれば、当然エネルギーとして摂取する量が減少しますので、体重が減るのはある意味で当然のこととも考えられます。
しかし、そもそも食欲がなくなるということは、何らかの不調のサインである可能性もあります。食欲不振で体重が減る原因には、どんなものがあるのでしょうか?
食欲がなくて体重が減ってしまうのは、ある意味当然のことと考えられます。消化器系や神経などに何らかの不調や疾患があって食欲がなくなると、摂取する栄養素やエネルギーが減ってしまうため、体重も減ってしまうのです。食欲不振の原因として考えられる疾患として、以下のようなものがあります。
食欲があっても体重が減る場合、甲状腺機能亢進症または糖尿病の可能性が考えられます。甲状腺機能亢進症とはいわゆるバセドウ病とも呼ばれる疾患で、一般的に女性に多くみられる疾患です。そして糖尿病は、血中のブドウ糖をエネルギーとして利用できなくなり、ブドウ糖の血中濃度が高いままになってしまう疾患で、生活習慣病のひとつです。
甲状腺機能亢進症とは、甲状腺ホルモンが過剰に分泌されてしまう疾患のことで、新陳代謝が活発になります。新陳代謝が活発になるのは一見良いことのように思われますが、過剰に代謝が促されてしまうため、心臓に負担がかかります。食欲旺盛でたくさん食べているのに痩せてしまうだけでなく、甲状腺の腫れや眼球の突出、手の震え、動悸などの症状が現れます。原因は自己免疫の異常や遺伝などと考えられていて、20~30代の女性に多く発症しますが、男性の発症も少なくありません。
糖尿病には1型と2型があります。生活習慣によるもの(2型)は食べすぎや不摂生な食生活、それに伴う肥満が原因ですが、遺伝や自己免疫の異常によってそもそもインスリンの分泌が足りない場合(1型)もあります。1型の場合は生まれつきの疾患であるため、それまで問題がなかったのに突然体重が減少してくるのであれば、2型の糖尿病であると考えられます。
糖尿病によって血糖値が高い状態が続くと、インスリンというホルモンがだんだん出にくくなってきます。そのため糖分をエネルギーとして利用できなくなっていきます。そこで、体に蓄えられている脂肪や筋肉を分解してエネルギーとして利用せざるを得なくなるため、痩せていきます。尿量が増える、喉が渇くなどの症状が現れることもあります。
食欲不振が続いて体重が減ってしまったり、逆にたくさん食べているのに痩せてしまう場合は、何らかの内臓または内分泌系の疾患にかかっている可能性があります。一度、医療機関で診察を受けると良いでしょう。また、その結果、神経性食欲不振症と考えられる場合は、心療内科に相談しましょう。
医師に相談する場合は、以下のようなポイントをまとめておき、具体的に症状を説明するようにしましょう。その後の検査や治療をスムーズに行うことができます。
ダイエットをしているわけでもないのに体重が著しく減少する場合や、過度な食事制限がやめられない場合は、心身の疾患が隠れている場合があります。痩せればいいんだと思い込んで放置せず、ぜひ一度医療機関で検査を受けましょう。
食欲不振で体重が減るのは自然のことですが、そもそも食欲が減るのは体や精神の何らかの不調が原因となっている場合もあります。それまで何も問題がなかったのに食欲不振になり、体重が減ってきたという場合は、一度医療機関で診察を受けると良いでしょう。
まずは内科に行くのがおすすめですが、拒食症や過食症などの摂食障害の疑いが強い人は心療内科の受診も合わせて考えましょう。
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