記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
2019/2/4
記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
胃腸はデリケートな臓器なので、ストレスや疲れなど、少しのことでもトラブルを起こすことがあります。
そういったときには漢方薬を使用すると良いかもしれません。今回は胃腸トラブルの原因別にオススメの漢方薬をご紹介いたします。
緊張などによって生じる胃腸症状は、「ストレスタイプ」に分類されます。ストレスタイプの特徴は、精神的な不安や強いストレスを受けることで、胃やみぞおちの周辺が硬くなってしまい、つかえや吐き気を覚えるようになることです。これにより、胸やけ、げっぷ、みぞおちの痛みといった炎症性の胃腸症状を伴うようになります。
胃腸症状の原因がストレスの場合は、「半夏瀉心湯(はんげしゃしんとう)」という漢方薬がおすすめです。半夏瀉心湯の特徴は「3種類の生薬を合わせた漢方薬」であることです。
ストレスタイプの胃腸症状は、ストレスによって「気(目に見えないエネルギー)」が停滞したことで発症しています。そのため、半夏瀉心湯を使い、「気」の流れを良くし、飲食物の「気」を新たな動力源とすることで、胃腸症状の改善を目指していきます。
夏バテが原因の胃腸症状は、「虚弱タイプ」に分類されます。虚弱タイプの特徴は、普段から胃腸が弱く、夏の暑さなどによってさらに弱まってしまうことです。虚弱タイプの場合、胃腸が十分に栄養などを吸収する力がないので、慢性的な軟便・下痢が続きます。また、体力も落ちているので、風邪を引きやすかったり、疲れやすかったりもします。
夏バテによる胃腸症状の場合は、「六君子湯(りっくんしとう)」がおすすめになっています。六君子湯の特徴は「気を補って巡らせる漢方薬」であることです。
虚弱タイプの胃腸症状は、普段から胃腸が弱ってしまい、胃腸の「気」が少なくなることで発症します。そこで、六君子湯を使って「気」をめぐらせ、胃腸の働きを高くすることで、胃腸症状の改善を目指すのです。
水分の摂りすぎによる胃腸症状は、「冷害・水害タイプ」に分類されます。このタイプの特徴は、冷たい飲み物を沢山摂ることで、身体が冷えてしまい、体内の水分量が多くなることです。これにより胃腸の消化機能が低下すると、胃もたれ、胃の疲れ、下痢などの症状が現れます。また、体内の水分量が増えるので、体のだるさや顔のむくみも見られます。
水分の摂りすぎによって胃腸症状が現れている場合は、「胃苓湯(いれいとう)」を使用するといいでしょう。胃苓湯の特徴は、「体内の余分な水分を排出し、水っぽくなった胃腸を乾かす漢方薬」であることです。
冷害・水害タイプの胃腸症状は、冷たい飲み物によって身体の熱が奪われてしまったことで発症します。そのため、胃苓湯によって水分量を調整しつつ、胃腸を乾かすことで、元通りの胃腸に戻すように目指していきます。
胃腸症状の原因別にオススメの漢方薬を紹介しましたが、漢方薬はご自身の体質に合ったものを使うことも大切です。そのため、もし胃腸症状で困っていたら、一度、漢方外来や漢方専門医に相談してみると良いでしょう。
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