記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
2019/1/15
記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
ヘビースモーカーの人は、声がガラガラに枯れていることが多いものですが、これは「ポリープ様声帯」という喉の病気のサインの可能性があります。以降ではポリープ様声帯の症状や原因、手術の必要性などをお伝えしていきます。
ポリープ様声帯とは、声帯粘膜の奥に粘液状のものが溜まることで、声帯全体がブヨブヨにむくみ、腫れあがる病気です。声帯ポリープでは声帯の一部に病変がみられますが、ポリープ様声帯では声帯全体に病変が起こります。中年以降の女性に多くみられる症状です。
嗄声(させい)とは、しわがれ声のことです。ポリープ様声帯の人の声帯はむくんで正常に振動しないので、声が枯れた状態、ガラガラとした低い声が出るようになります。むくみがひどくなってくると、息苦しさを招くようになります。このほか、喉の乾燥や喉の違和感といった症状が出ることもあります。
ポリープ様声帯の発症者にはヘビースモーカーが多いことから、喫煙習慣が関係していると考えられます。このほかにも、しゃべりすぎによる喉の酷使や甲状腺の病気、胃食道逆流症、ホルモンバランスの変化などの要因によって発症リスクが上がるともいわれていますが、明確な関連性は不明です。
ポリープ様声帯はまれに合併症として、喉頭がんを引き起こす恐れがあるとされています。喫煙習慣自体が喉頭がんの発症リスクを上げるものなので、喫煙歴の長い人は定期的に検査を受けるようにしましょう。
ポリープ様声帯の重症度に応じて、手術が必要かどうかは異なります。軽度であれば禁煙だけで治ることもありますが、一般的には禁煙に加え、消炎薬の投与やステロイドホルモンの吸入治療を行います。
それでも改善しない場合は、手術が必要になります。全身麻酔をかけたうえで喉頭顕微鏡下手術を行い、むくみや余剰分の粘膜をとっていきます。術後1週間程度は沈黙期間が必要です。また再発予防のため、手術以降も禁煙を継続することが重要になります。
ヘビースモーカー特有の声は魅力的に聞こえることもありますが、ポリープ様声帯を放置していると、呼吸困難になったり、喉頭がんを合併したりといったリスクにつながる恐れがあります。早めに禁煙を始め、それでも声が治らないようであれば病院を受診しましょう。
この記事の続きはこちら