胃腸に効く手や足裏のツボを紹介!

2019/1/26

山本 康博 先生

記事監修医師

MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長
東京大学医学部卒 医学博士
日本呼吸器学会認定呼吸器専門医
日本内科学会認定総合内科専門医
人間ドック学会認定医
難病指定医
Member of American College of Physicians

山本 康博 先生

胃痛や下痢、便秘といった胃腸症状でお悩みの方は「ツボ押し」を試してみると良いかもしれません。今回は胃腸の症状別にオススメの「ツボ」を紹介します。ご自宅や職場などでできる簡単なツボ押しもありますので、困ったときにはぜひ試してみてください。

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胃痛や下痢、便秘…胃腸症状にツボって効くの?

東洋医学では、「経絡(けいらく)」という考え方があります。経絡とは人体にある生命エネルギーの通り道のことで、この流れによって体調に影響が生じると考えています。そして、この経絡上の生命エネルギーの出入口のことを、一般的に「ツボ(経穴)」と呼びます。

ツボは身体に361個所あり、それぞれのツボはそれぞれの臓器と繋がっています。これらのツボを刺激することで、弱った臓器の働きを改善することができます。このツボ押しは胃腸症状の改善にも役立つので、以下では症状別にオススメの「ツボ」を確認していきます。

下痢に効く手や足裏のツボは?

急な下痢はしばらくすると改善する場合が多いですが、それでも生活に支障が出てしまうこともあります。そんな急な下痢で困っていたら、以下のツボを押すとよいかと思います。

下痢を和らげるなら「腹瀉点(ふくしゃてん)」がオススメ!

腹瀉点(ふくしゃてん)は、下痢の緩和に役立つツボです。腹瀉点は手の甲の「中指と薬指の骨が交わる部分」にあります。中指と薬指の間をなぞっていくと骨が交差する部分があり、そのくぼみの少し上に腹瀉点があります。下痢の後に急な腹痛が現れた際には、この腹瀉点に親指を当てて押してあげましょう。

ストレス性の下痢であれば「温溜(おんる)」がオススメ!

温溜(おんる)は、ストレス性の下痢の改善に有効なツボです。温溜は前腕の前側(親指側)の「手首と肘の中間の部分」にあります。温溜が見つかったら、腕を掴むようにしつつ親指をツボに当て、骨の部分から押し上げるようにしましょう。

早めに改善したいなら「裏内庭(うらないてい)」がオススメ!

裏内庭(うらないてい)は、ストレスや冷えなどによる急な下痢の改善に役立ちます。裏内庭は足の裏側の「人差し指の付け根部分」にあります。人差し指を曲げると指先が足の裏側に触れますが、その触れた部分が裏内庭になります。裏内庭は押しても良いですが、より効果を出したい場合はお灸をするのがおすすめです。

腸の働きを改善するなら「梁丘(りょうきゅう)」がオススメ!

梁丘(りょうきゅう)は腸の働きを司っているツボで、この働きを高めることで下痢を改善します。梁丘は太ももの脇側の「膝上2.5cmあたりの部分」にあります。座った状態のまま太ももの外側を指でなぞると、膝の骨にぶつかります。梁丘は、その骨の手前部分にあるツボです。梁丘が見つかったら、こぶしを作り小指の横腹で上下にこすりましょう。

便秘に効くツボは?

頑固な便秘は自然には改善しにくい上に、お腹の痛みやハリによって生活に支障が出る場合もあります。もし便秘でお困りでしたら、以下のツボを押してみるとよいでしょう。

お腹のハリの改善には「間使(かんし)」がオススメ!

間使(かんし)は、便秘によるお腹のハリの改善に役立ちます。間使は前腕の内側、「手首から指4本分下の部分」にあります。手のひらを表にした状態で、反対の手を手首に当てると、人差し指のあたりが間使になります。親指を間使に当てつつ、2~3分程度ゆっくりと押してあげましょう。その後、もう片方の腕も、同様に押してあげるとよいです。

慢性の便秘には「大巨(だいこ)」がオススメ!

大巨(だいこ)は、慢性の便秘に効果があると言われています。大巨はお腹にあるツボで、「おへそよりも指3本分下側、かつ、指2本分外側」にあります。この大巨が見つかったら、身体の中心に向かって、中指でやさしく押してあげましょう。

便秘や下痢を改善したいなら「大腸兪(だいちょうゆ)」がオススメ!

大腸兪(だいちょうゆ)は、さまざまな下痢や便秘の改善に役立つツボです。大腸兪は背中側にあり、「背骨と骨盤が交差する部分」にあります。指で背骨をなぞっていくと骨盤にぶつかりますが、そのぶつかった辺りが大腸兪となっています。大腸兪を発見したら、身体の中心に向かって押してあげましょう。

胃痛に効く手や足のツボは?

胃痛は、軽ければ我慢できてしまうケースも多いですが、なるべくなら不快な症状を和らげたいものです。以下では、胃痛の改善に役立つ手や足のツボについてご紹介いたします。

ストレスによる胃痛なら「合谷(ごうこく)」がオススメ!

合谷(ごうこく)は、ストレス性の胃痛の改善に役立ちます。合谷は手の甲の「親指と人差し指の付け根部分」にあります。親指と人差し指の間をなぞると、骨が分かれている部分が見つかり、そのあたりが合谷となっています。合谷が見つかったら親指を当て、「気持ち良い」と感じる強さで30秒程度押しましょう。その後、反対側も同じように押します。

胃痛や吐き気でお悩みなら「太衝(たいしょう)」がオススメ!

太衝(たいしょう)は、胃痛や吐き気などの改善に役立つツボです。太衝は足の甲にある「親指と人差し指の骨が交わる部分」です。親指と人差し指の間をなぞっていくと、骨が交差する辺りにくぼみが見つかります。そのくぼみの中に、太衝があります。急な胃痛でお困りの場合には、太衝を親指の腹でやさしく押してあげると良いでしょう。

胃腸の不調全般に効くツボは?

「何となく胃腸の調子が良くない」といった悩みをお持ちの方もいるでしょう。そのようなときには、以下のような胃腸の不調全般に効果があるツボを押してみるのも良いでしょう。

さまざまな症状を改善するなら「中脘(ちゅうかん)」がオススメ!

中脘(ちゅうかん)は消化不良だけでなく、せき、たん、むくみ、動悸、息切れなどの改善に役立つツボです。中脘はお腹にある「おへそから指5本分上の部分」です。手を当てたときに、親指付近にあるへこみが中脘です。消化不良などで困っている方は、この中脘をやさしく押してあげるとよいでしょう。

胃腸の働きを整えたいなら「手三里(てさんり)」がオススメ!

手三里(てさんり)は胃腸の調子を整えるツボで、消化不良や倦怠感の改善に役立ちます。手三里は前腕にあるツボで、「肘から指3本分離れた部分」にあります。肘を曲げた状態で、反対の手(人差し指・中指・薬指)を当てたときに、薬指が当たる部分に手三里があります。胃腸の不調でお困りの場合は、手三里を刺激してあげるのがおすすめです。

胃腸症状を改善したいなら「足三里(あしさんり)」がオススメ!

足三里(あしさんり)は、胃腸症状の改善に加えて、病気の予防や体力の増強などにも役立つツボです。足三里は膝のすぐ下、「膝から指4本分下の部分」にあります。膝の外側にあるくぼみに人差し指を当てたときに、ちょうど小指付近が足三里となっています。胃腸のさまざまな症状でお困りの方は、この足三里を押してあげるのもよいでしょう。

おわりに:ツボ押しは「リラックス」した状態で行うようにしましょう!

ツボの大きさは「500円玉サイズ」といわれています。そのため、まずは正しいツボの位置を把握することが重要です。その上で深呼吸などをしつつ、リラックスした状態でツボを押すと良いでしょう。なお、強く押すと逆効果になってしまう場合があるので、「気持ちいい」と感じるくらいの強さで押すようにしてください。

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