記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
2019/2/15
記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
2~10歳の小児に特に多く、大人も感染・発症することのある溶連菌感染症の代表的な症状として、舌がいちごのようにブツブツになる「いちご舌」があります。
今回は溶連菌感染症によるいちご舌について、その症状や適切な対処法・治療法などとあわせて解説していきます。
溶連菌感染症は、正式名称を溶結性連鎖球菌(ようけつせいれんさきゅうきん)という溶連菌の感染が原因で、さまざまな症状が現れる感染症の一種です。一般的には2~10歳の小児が発症しやすい疾患ですが、大人でも冬を中心に、1年中溶連菌に感染・発症するリスクがあります。
舌にいちごの種のような小さなブツブツがたくさんでき、いちごのように見える「いちご舌」は、この溶連菌感染症によって引き起こされる特徴的・代表的な症状のひとつです。溶連菌感染症を起こす人のなかでも、特に子供、そして溶連菌感染を自覚せず、治療しないまま過ごしている人にいちご舌が現れやすいと言われています。
溶連菌感染症によるいちご舌以外の代表的な症状としては、以下が挙げられます。
通常、溶連菌はのどから人の体内に侵入して感染・発症します。
このため、はじめは咳や鼻水を伴わない風邪のようなのどの痛み、関節痛や頭痛・腹痛、発熱からはじまり、いちご舌や発疹の発症に至るケースが多いようです。
のどの痛みや発熱だけでなく、発疹やいちご舌などの症状がみられるなど、溶連菌感染症が疑われる場合、まずは病院で溶連菌感染の有無を調べてもらう必要があります。
溶連菌感染症かどうかの検査は、問診による症状の確認と視診によるのどの赤み・腫れの確認、そしてのどの粘膜を採取しての細菌検査までで行います。検査から溶連菌感染症を発症していると確認できたら、痛みや熱を和らげる対症療法のための薬と、抗生物質を処方して治療していきます。
通常、溶連菌感染症治療のための抗生物質は7~10日分処方されますが、熱や痛みなどの症状自体は、薬の服用開始から2~3日で収まってきます。ただし、体内の溶連菌を確実に殺し、周囲への感染拡大や合併症を避けるためには、7~10日かけてすべての抗生物質を飲み切らなければなりません。溶連菌感染症の投薬治療は、必ず医師の指示する用法・用量に沿って行いましょう。
溶連菌は、感染者や感染者が触れたものとの接触や、飛沫によって感染が拡大します。このため、家族のうち1人が感染すると、気づかないうちにほかの家族・兄弟やその周囲の知人にまで溶連菌感染症が広がる可能性があります。
家族の溶連菌感染症の治療中は、下記のポイントに沿って感染予防を心がけることが大切です。
感染者本人の抗生物質による治療とあわせて、感染予防策も徹底しましょう。
のどから侵入した溶連菌への感染で発症する溶連菌感染症は、のどの痛みや腫れ・赤み・発熱や頭痛の他、舌にブツブツとした発疹ができるいちご舌を引き起こします。いちご舌など溶連菌感染による症状は、医師に処方してもらう抗生物質を服用することで2~3日で治癒でき、さらに処方された薬を飲み切ることで感染症そのものも治療できます。ただし感染者本人の治療とあわせ、家族に感染が拡大しないよう予防もしっかり行ってください。
※抗菌薬のうち、細菌や真菌などの生物から作られるものを「抗生物質」といいます。 抗菌薬には純粋に化学的に作られるものも含まれていますが、一般的には抗菌薬と抗生物質はほぼ同義として使用されることが多いため、この記事では抗生物質と表記を統一しています。
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