陰部のかゆみとともに血が!これって何かの病気?

2019/2/22

山本 康博 先生

記事監修医師

東京大学医学部卒 呼吸器内科医

山本 康博 先生

外陰部のかゆみだけでなく、出血もみられると、何かの病気になってるんじゃないか…と不安になりますよね。とはいえ、場所が場所だけに、病院には行きづらいかもしれません。この記事では、外陰部のかゆみや出血が起きたときに考えられる病気を紹介します。病院に行く前の知識として参考にしていただければ幸いです。

陰部のかゆみと出血の原因:①腟カンジダ症

陰部のかゆみと出血の原因の一つに腟カンジダ症が挙げられます。腟カンジダ症とは、腟内の常在菌であるカンジダという真菌の異常増殖によって起こる腟炎のことをいいます。約5人に1人が経験する病気といわれ、非常にポピュラーな病気になります。

腟カンジダ症の原因として、月経の前後や運動で汗をかいたとき、高温多湿で蒸れたとき、抗生物質を服用しているとき、陰部を石けんで洗いすぎたとき、妊娠中のあいだ、糖尿病や免疫抑制剤やステロイドを服用中、免疫力が低下している場合などがあり、性行為による感染は全体の約5割程度といわれています。

腟カンジダ症になると、外陰部の激しく強いかゆみとおりもの異常といった症状がみられます。おりものは白く濁り、酒かす、粥、ヨーグルト、カッテージチーズなどと形容される独特の性状になります。また、かゆみが強すぎて痛みを伴う場合もあります。

腟カンジダ症の治療は腟錠(腟座薬)を腟内に挿入したり、外陰部に外用薬を塗布したり、飲み薬を使います。これに加えて、腟洗浄を医療機関で行うこともあります。

陰部のかゆみと出血の原因:②萎縮性腟炎

陰部のかゆみと出血の原因として、次に考えられるのが萎縮性腟炎です。萎縮性腟炎とは老人性腟炎ともいわれ、閉経後に女性ホルモンであるエストロゲンの分泌が低下することによって起こります。女性ホルモンの分泌が低下すると腟からの分泌液が減り、腟の自浄作用が低下するために起こります。

主な症状は外陰部のひりひりする痛み、しみる感じ、違和感やおりものや出血、性交痛などがあります。腟が萎縮することで粘膜が薄くなり、これらの症状が出現するようになります。

萎縮性腟炎の治療では、女性ホルモンを補充をします。具体的には、女性ホルモンのエストリオール®︎錠の内服や腔錠を使用します。また、細菌感染を起こしているときなど必要に応じて抗生物質の腔錠を使用することもあります。

陰部のかゆみと出血の原因:③外陰がん

陰部の痒みと出血の原因として3つ目に考えられるのが外陰がんです。外陰がんとは女性の外陰部にできる悪性腫瘍のことを言います。多くは大陰唇に発生しますが、小陰唇や陰核などにも発生することもあります

外陰がんの原因は十分に解明されていないのが現状ですが、組織型によってはHPV(ヒトパピローマウイルス)の感染が考えられています。また、HPV以外の要因としては喫煙が考えられています。

外陰がんの症状は外陰部の腫瘤、痒み、熱感、痛み、出血、色素沈着、白斑といって皮膚の色が部分的に白くなるなどがありますが、早期の場合は自覚症状がほとんどないこともあります。

外陰がんの治療は手術が一般的です。そのほかにも抗がん剤治療、放射線治療などがあります。

おわりに:陰部の痒みと出血にはさまざまな病気が隠れている

陰部の痒みと出血には感染症や悪性腫瘍などさまざまな病気が隠れています。出血と痒み以外にも症状はいろいろとありますが、自己判断するのはなかなか難しいものです。

そのため、出血と痒みが見られたら恥ずかしがらずに婦人科を受診することをおすすめします。そのうえで、正しい治療を行いかゆみや出血といった不快感から早期に解消されましょう。

※抗菌薬のうち、細菌や真菌などの生物から作られるものを「抗生物質」といいます。 抗菌薬には純粋に化学的に作られるものも含まれていますが、一般的には抗菌薬と抗生物質はほぼ同義として使用されることが多いため、この記事では抗生物質と表記を統一しています。

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